龍友side
今日は涼太とボイトレ。
めずらしいやろ??この組み合わせ。
一応相方やけどねw
そう言われて、涼太のスマホをみた。
そこには裕太くんのインスタの投稿と、
#交際0日婚 というハッシュタグ。
その瞬間、僕は持っていた水を落とした。
涼太はほんま優しい。
みんなから王子って言われるのわかるわ。
僕の、最強の愛方。
涼太おらんかったら今頃どうなってたやろ…。
涼太side
あのインスタを見てから約30分。
少し気分転換に散歩をしてから
またボイトレを始めた。
けれど、龍友くんの声は
いつもよりもどこか切なげで、
自信のない声のように聴こえた。
俺はあなたと裕太くんの幸せを願ってる。
けど、龍友くんにそんな顔されたら………。
どっちを応援していいか、
わかんなくなってくるよ。
俺は頭のなかで混乱しながら
ボイトレを続けた。
龍友side
やっぱり気持ちは、声にも表れる。
今日の僕の声は、自信のない声や。
切なさがまじってる。
あぁ、好きな人の幸せを願われへん僕は
最低や。最低人間や。
もっと早うに僕の気持ちを伝えてたら、
未来は変わってたんかな…??
――――飲み会――――
あなたと裕太くんが指輪を見せてきた。
胸が苦しいわ。
やめてやそんなん。
今日はいつもよりも、いや、
いつもよりも倍の量の酒を飲んだ。
いくら酒が強いからと言っても、
さすがに酔った。
気がつけばあなたの胸を触ってたり、
ああ、僕は馬鹿か。
好きな人に対する敬意はどこいった。
絶対引かれたやん。
その僕は逆やけどな。余計惹かれた。
僕の女やったら、
このえっちぃ声も、笑顔も、何もかも全部
僕のものやったのに。
その流れでか、僕は爆弾発言をした。
涼太はちょっと苦笑いをしてた。
涼太の目は、大丈夫??という
心配の目だった。
酒と君に溺れた僕。
ああ、この沼から早く抜け出されへんかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。