夜の10時を回った頃、私は酔いも覚めてお風呂に入っていた。
ここの女湯は結構広くて、小さい銭湯ぐらいの広さだった。女子は私しかいないし、風呂場のスペースは贅沢に使えた。
そういえば今日、おそ松くんに酷いことしちゃったな…。
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場面転換
私は髪の毛をドライヤーで乾かし終わると、パジャマのまま部屋を出た。
101号室をノックすると、すぐに「はーい」という声が聞こえてドアが空いた。
ああぁ、もうここでコミュ症発動すんなよおぉお!
おそ松くんの部屋は、思っていたよりも綺麗だった。赤を中心にしたthe・男の子!って感じの格好いい部屋。
私は、おそ松くんに言われてベッドに座った。
ちょ!待って近い!顔近い!
…そこで私は気付いてしまった。この状況に。
男 の 子 と 二 人 き り !
まだ処女の私にとってこの状況はつらいものだった。
ああぁ意識するな!だめだめだめ顔赤くなってくんだけどおおおぉお!!
あれ?思ってたより早く終わった。
よし帰ろう!と、私が立ち上がると、おそ松くんが私の手をぐっと掴んだ。
そのまま私をベッドに押し倒して、その上におそ松くんが乗ってきた。
お母さぁぁあぁあん!床ドンされてるいやぁあ助けてぇ!!!
おそ松くんは私を、ぎゅぅっときつく抱き締めた。
身動きがとれないよおぉおお助けてええええぇええ
……
……
……
抱きつかれて10秒経過。長いわっ!首絞める気かっ!
私は101号室をでると、猛スピードで私の部屋に戻った。
お母さん……初日から帰りたいです。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。