第2話

松野シェアハウス
1,175
2018/12/16 06:10
作者
すみまそん!1話に設定を付け足したので、それを読んでからこちらを見てくれるとありがたいです!
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▷就職おめでとう。少し寂しいけど、頑張ってね。
実家の岩手を出て新幹線で東京に向かっている途中、お母さんからメールが来た。
あなた

……私も…寂しいよ…

小さい頃から一人が苦手な私を心配して、会社近くのシェアハウスを必死に探してくれたお母さんの姿を思い出す。
あなた

でも、もう大人だし、頑張らないと…

重いまぶたを押し上げて、窓際に映るちっぽけな夜景を見上げる。
ここから、私の新しい生活が始まるんだ。
期待に胸を膨らませ、眠りに落ちた。
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あなた

ここが、松野シェアハウス…。

がらがらとスーツケースを引っ張りながら、私はその建物を見上げる。
見た目は長方形の建物で、二階建てだった。
にしても、一階がやたらと広い。
窓も多い。
私はドアを開けて、なかにはいる。
あなた

すみませーん…

そこには、殺風景な部屋に丸いテーブルと椅子が置かれていた。
あなた

管理人さん…?

私は、管理人さんが住んでいる101号室をノックしてみた。
???
はーい、何~?
ドアの向こうから、気の抜けた返事が返ってきた。
思っていたより、若い管理人さんなんだな、と声で判断する。
がちゃドアの開いた音
???
…!?///可愛い…あ、何か用ですか?
あなた

用って…私、新しくこのシェアハウスに住むことになった桜崎さくらざきですけど…

???
さくら…ざき……あ!桜崎あなたさんですね!
おそ松
俺、松野おそ松でぇーす!ここの管理人!よろしくな!
いきなりタメで話しかけてきたおそ松、という人物を私はゆっくりと見つめる。
イケメン……そして、イケボ……。こんな人達と私過ごすの?
恥ずかしいやら、嬉しいやら…。
あなた

よ、よろしくお願いします…

おそ松
タメでいいよ!あなた22歳でしょ?俺も同い年なんだ~
あなた

えっそうなんですか!では、よろしくおn…よろしくね!(о^∇^о)ニコ

おそ松
っ///…あ、ここの見取り図?見せるね
おそ松
104号室があなたの部屋だよー。
あなた

は…うん、ありがとう

おそ松
ごめん、ちょっと俺が書いたから下手になっちゃってさぁ~(笑)
本当は皆同じ広さの部屋だからな!ちなみに真ん中はリビングみたいに使っていいよー。
おそ松
部屋一つ一つにガスコンロと、蛇口が2つずつ着いてるけど、お風呂は二階のを使ってくれよな!トイレはもちろん1つずつに着いてるからー
あなた

う、うん

おそ松
まー詳しいことはこの紙に書いてあるから!
そういうと、おそ松は私に紙切れを差し出した。
松野シェアハウスのルール

・お風呂は午後5時~11時までに入ること。(11時半から清掃開始)
・12時には消灯すること。(12時に管理人が見回り)
※12月31日は例外

住民表

101号室…管理人  【  松野おそ松  】
102号室…清掃者  【  松野カラ松  】
103号室…家賃管理者【  松野チョロ松 】
104号室…仕事無  【         】
105号室…仕事無  【  松野一松   】
106号室…仕事無  【  松野十四松  】
107号室…仕事無  【  松野トド松  】
全部…同じ名字…?
おそ松
じゃ、104号室のとこに名前書いたら、部屋に行ってていいよー。ほい、鍵
あなた

あ、あの…っ!

おそ松
あなた

この住人表…全部同じ名字なんですけどっ…

おそ松
あー、それはね、俺ら六つ子なんだよねー
―六つ…子…!?
いきなり出てきた馴染みのない言葉に、私は驚きを隠せなかった。
おそ松
今日の7時に皆で集まってあなたを歓迎するから、その時に紹介するよ☆皆そっくりだから、見分けられるか不安だけどね(笑)
あなた

え、え、ちょ、まっ

がちゃんドアが閉まった音
(そっくりだから、見分けられるか不安だけどね)
あなた

そっくり…あのイケメンが六人もいるってこと?

私はドキドキする胸を抑えながら、今は誰もいない他の部屋を見渡した。

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