第76話

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2,026
2019/12/30 22:41
山田涼介
山田涼介
はぁ……
松潤
松潤
屋上に来てなにやってんだ?
山田涼介
山田涼介
松本さん……
松潤
松潤
ニノが記憶取り戻したよ。

その代わり記憶をなくしてた時の記憶はないけど
山田涼介
山田涼介
逆転した……ということですか。
松潤
松潤
そう。
山田涼介
山田涼介
……
松潤
松潤
……俺らにはあの二人の邪魔は出来ねーんだよ。
山田涼介
山田涼介
邪魔…とかは
松潤
松潤
今日、デートしたんだろ?

痛いところをついてくるなぁ…

山田涼介
山田涼介
しました。
でも、それは僕自身の……
僕の中でのあなたへの気持ちを必死に殺そうと。
松潤
松潤
……て思ったんだろうけど
実際はどーなんだよ。
山田涼介
山田涼介
……まだ好きです。
松潤
松潤
俺もあなたが好きだった。
けど、俺といてあなたは幸せにならない。

だって、あなたはニノが好きだから。

黙り込む俺に、松本さんは言葉を続けた。

松潤
松潤
好きな人が幸せにならないなんてこんな嫌なことあるか? 
それなら、俺じゃなくてニノと結ばれて欲しいって願うようになった。
実際さ、ニノがいなかった時間
あなたは死んでるようだった。

もし、俺と付き合ったなら毎日がそんな感じだったかもって考えるとゾッとする。
山田涼介
山田涼介
……そうですね。
松潤
松潤
だから、俺はあなたから身を引いた。
山田涼介
山田涼介
では……あなたのことはもう好きじゃないってことですか?
松潤
松潤
好きじゃない訳では無いけど
少なくとも俺はニノとあなたを見て嫉妬しなくなったかな。
山田涼介
山田涼介
……僕には真似出来ないです…
松潤
松潤
それでいいんじゃねーの。
自分が納得いくまで悩め。

そう言って、松本さんは肩をたたいて行った。




冷たい雫がひとつだけ頬を伝って零れたような気がした。


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