第61話

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2019/07/10 12:36

ピコンピコン……


先程からなり続ける通知音。

あなた
あなた
私の携帯……

見ると、案の定たくさんの通知が溜まっていた。
二宮和也
二宮和也
誰から?
あなた
あなた
涼介。
心配してるみたいだしそろそろ帰らなきゃ……
二宮和也
二宮和也
……
 
帰ろうとすると、手首を掴まれた。

あなた
あなた
か、和也……?

何も言わない和也を見つめていると、扉が勢いよく開いた。
あなた
あなた
涼介……
山田涼介
山田涼介
ハァハァ……

そこには息を切らして座り込む涼介がいた。

余程探してくれてたのか呼吸が荒すぎる。
あなた
あなた
ごめん、探してたよね……
帰ろうか
山田涼介
山田涼介
二宮さん……

涼介は、私に答えずそのままゆっくり

和也に近づいていった。
山田涼介
山田涼介
俺、いつか奪いに行きます。

少しの沈黙の後何事も無かったかのように涼介は踵を返していった。

とにかく私は彼を追いかける事しか出来なかった。

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