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第2話

二話 決意
16
2019/05/04 04:12
あれから、私と笠井君は仲良くなった。
話してみると楽しくて、学校生活が楽しい、と初めて思ったくらいに。明るい気持ちになったからか、性格も変わり、前よりハキハキ話せるようになった。ねぇねぇ、とかおい、とかで互いに話しかけるので、名前を呼ぶことはないけれど。でも、心の中で私は、紅雅と呼び捨てで呼ぶことにした。
しっかし紅雅も困ったヤツだな…いつもは明るいのに、些細なことで泣いてしまう。ちょっとした冗談で泣いていたらダメじゃない…もう。



今日も、後ろの席で、紅雅は泣いてる。
笠井 紅雅
なあ、俺さ…泣かない方が良いのかな…
紅雅はよく泣くから、と一部の人に避けられていることを私は知っていた。良い人なのに…。紅雅の悪口を聞くと、嫌な気分になる。
だから…一発、ガツンと言ってやろう。
木村 遥
無理して、泣かないようにはしなくていい…私はずっと味方でいるから。でも…我慢も必要なんじゃない?
と言った。私が言っただけでは変わらないかもしれないが、せめて少し良くなれば…紅雅も悪く言われないようになるかもしれない、と思ったからだ。
笠井 紅雅
………ッ……
笠井 紅雅
…ぉ………ぅ、ぃ……!
…できるだけ泣かないようにする。
…よーし!俺、今日から泣かない!!
最初の方、なんと言ったのだろう…でも、聞いても紅雅は答えてくれなかった。




「もう泣かない」なんてあまり信じてなかったけれど。その場の勢いだと思っていたけれど…でも宣言通り紅雅はその日から泣かなくなった。







私の言葉がきっかけ?…まあ、違うか。それだけじゃないよね…他になにかきっかけでもあったのかな?

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