あなた
…
あなた
ねえ、ミク。
初音ミク
何?
あなた
"私"の居場所はないのかな。
ポツリ、ポツリ。
天馬くんたちを見て溢れ出した本音。
あなた
… 完璧な私じゃない"私"には居場所はないのかな。
初音ミク
…ないなら、つくればいいんじゃない。
あなた
… つくるって… 。
そんなの無理だ。
学校で友達を作る?その子にとっての「私」が崩れる。
塾なら平気?いいや、同じことだ。
あなた
ッ、それは… 。
" できない "
それを改めて実感した気がして俯く。
初音ミク
… 本当に?
初音ミク
………… こういうのでも、だめなの?
あなた
えっ、
顔を上げてミクを見上げる。
ミクは私のスマホを持っていて、SNSのサイトを開いていた。
初音ミク
… これなら誰にもあなただと分からないんじゃない。
そういってミクは海の中へ消えていってしまった。
あなた
( SNS… 考えたこともなかった。 )
あなた
( "私"をさらけ出すためには… 。 )
そこでふと、ある人が浮かぶ。
自分の苦しみを歌に乗せて載せていた人。
あなた
……… 曲を、つくればいいのかな。
真っ暗な深海に1つ、灯りが着いた気がした。
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第8話 さらけ出す場所(2)
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