プリ小説

第3話

3*
「……梓ちゃん、あのね」
「みなみちゃんは出てこないで?私は世良くんと話してるの。ねー世良くん」
「え?えっと……俺か」
「おい世良」

瀬戸くんが、日野さんがいるのとは反対側の世良くんの脇腹を肘でつつく。
反応した世良くんに、瀬戸くんはぼそぼそと何かを耳打ちした。

「断れよ。修学旅行、楪といたいんだろ」
「うん……そうなんだけど」
「なんだよ」
「俺、断るのとか苦手で……」

世良くんが苦笑を浮かべた。
会話内容を聞き取れない私は、その苦笑の意味を知れないことがすごくもどかしかった。

「ハァ。ったく」

急に瀬戸くんはため息をついた。
そして、何故かみなみちゃんと目を合わせる。
すると今度はみなみちゃんが動き出した。

「ごめんね梓ちゃん、私らこれで決まってるから今更変えられないの。悪いけど世良は諦めてくれない?」

腰に片手を当てて、みなみちゃんが強めに言う。日野さんはじとりとした目でみなみちゃんを見返した。
ヒリついた空気が二人の間に流れた。

「……あっそ。いいよ、班くらい」

日野さんが不意に世良くんから離れ、踵を返した。
立ち去る前に、一言残していく。

「一緒にならなくてもなんでもできるしね」

そして、日野さんは友達のところへ行った。

……日野さん、世良くんのこと好きなのかな。

「だーいじょうぶだよ。あっちもすぐグループできてるし、あたしら4人でなろ?」

みなみちゃんが元気づけるようにポンッと軽く肩を叩いてくる。
私はそれに頷いたけれど、日野さんに悪いような気がしてならなかった。

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さとう
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