末澤でーす。撮影終わりましたぁ〜。
あとインタビュー受けるだけやねんけど、スタッフさん達の準備がまだできてないらしいから楽屋で待ってる。
珍しく6人全員おる。
珍しくっていう言い方したらいっつもは協調性ないやつみたいになるけど。
まあ、無いようなもんかもやけどな?
みんなスマホ見てたり他のメンバーと喋ってたりしてるわ。
あれ?でもなんか心なしかみんな顔が怖い。なんや?何があった!?
ちょっと大晴に聞いてみよかな。
末「なな、大晴?」
福「あ、誠也くん。どうしました?」
末「なんかみんな顔怖ない?なんとなく空気重いんやけど?なんかあったん?」
福「あ〜………多分……ね?まあ、その……。」
なんかこいつ話うやむやにしてくるんやけど。なに?ほんま。
末「いやいや、はぐらかさんと言ってや。」
福「えぇ〜?嫌ですよ。言ったらこじけんに怒られそうやし。ていうか俺から言いたないですし。」
いやなんで小島?別ええやん言っても。
末「ほんまにお願い!なんでも言うこと聞くから!」
大晴の眉毛がピクっと動いた。
福「ほんまになんでもですか?」
末「そりゃあもちろん!」
福「やっぱなしとかやめて下さいね?」
よっしゃ。これは貰ったりやな!?
俺の確認が取れたかと思えば口を割ってしゃべり始めた。
福「誠也くん昨日晶哉と泊まりましたよね?」
うっわ!なんでバレてんの?
末「え、それ誰から聞いたん?」
福「ていうことは、やっぱほんまなんや。まあ、多分その事でみんな顔怖いんやと思いますよ?」
いやいや、それだけで顔怖なるか?俺を何やと思てるの?
福「じゃあ俺教えたんで俺の言うこと聞いてくださ((
健「なぁ、誠也くん、晶哉??」
ずっとスマホをいじっていた小島が俺と佐野に話しかけた。
健「昨日2人何してたん?」
小島の質問で楽屋に緊張感が走る。
やっぱりきたぁ〜。
佐「いや、昨日はねぇ?」
佐野がおれに目配せをしてくる。いや何伝えたいんかわからんて。
健「名探偵小島!!見抜いてしまったんだぞ!!おい、晶哉。お前誠也くんとお泊まりしたやろ?」
ドヤ顔で言ってきた。
佐野がめちゃめちゃリアクションをとってしまう。
あ、図星なんやなって見たら分かるくらい。
佐「いやいや、僕がそんなことする訳ないじゃないじゃないですか!」
健「もろ顔出てたやん。」
佐「それは……ちゃいますやん。」
健「どこがちゃうねん。てか誠也くん…なんでそんな真顔なんですか?普通もっと驚きません?」
末「いやさっき大晴にそのこと教えてもらったし。」
福「え、それ言います?普通。」
健「おい大晴!お前だけ誠也くんに良いフリしやがって!」
福「いやだってさ……あぁ〜!それよりも!佐野どうすんの?ほったらかしやけど?」
自分にヘイトを向けられたくないんか、小島のことをめんどくさいと思ってんのか知らんけど話題が戻った。
こいつほんまそういうとこ頭ええよなぁ。
健「まあそれもそうやな。」
こいつは大晴と真逆でドアホやな。
正「こじけんほんまアホすぎへんか……」
おぉおぉ口に出して言うたらあかんてw
幸い聞こえてないんか佐野への質問が始まる。
健「晶哉!一応聞いとくけどなんでこんなことしてん?」
佐「いや……あの、僕の私服着てる誠也くんを見たかっただけです。」
みんなぽかーんとしてる。
正「え、それだけ?そんなんやったら楽屋で出来るくない?」
佐「いや、家で見んのとまたちゃいますやん!?」
福「それはそうやけどさ、もうちょい普通欲張らん?」
佐「もう、みんなしてなんですか?!逆に言いますけど、誠也くん抜け駆けなし同盟とかなんかありますけど、そんなん律儀に守ってたら一生自分のにできませんやん!」
え、何その同盟、初めて聞いた。
しかも「自分の」ってなんやねん!
草「それ本人の前で言うかぁ?w」
末「え、リチャそれどういう感じなん?」
草「またいつか教えるわw」
なんか流されたけど。まあ良いわ後でにしとこ。
健「それはそれ!これはこれや!ということで罰則として3メートル近づいたらあかんでー?あとパシリな。」
福「いやぁ〜晶哉が破るとは思わんかったなぁ〜。てっきりこじけんやと。」
健「たいちぇ〜今日どうしたん?ちょいちょい俺のことハチャメチャいじってくるけどw」
佐野がめんどくさそうにぼやく。
佐「も〜これぐらいええですやんか……」
健「いや!あかんな!お前1番年下やん。」
佐「年下関係ないでしょ!」
こじまさやがやいやい言い合っている間に大晴がもう一回やってきた。
福「もう話終わったっぽいんで僕のお願い聞いて下さいよ!」
末「ん。ええけど。」
福「じゃあ……俺ん家来てください!」
え、それ大丈夫なん?
と思ったのも束の間、正門からツッコミが入った。
正「いや!それはあかん!誠也くん、俺ん家来ませんか?ギターとかいっぱいありますよ?」
福「ちょ、まっさん!邪魔せんとってや!俺と約束してるんやから!ね?誠也くん?」
もうどうしたらええかわらかんわ……
正「いやいや、こんなオスベリギャガーより俺の方が絶対楽しいですって!」
福「おい!誰がオスベリギャガーやねん!お?喧嘩するか?」
こじまさやとドーキーズが喧嘩してるわ。もう勝手にさせとこ。俺は知らん!
草「なあ末澤?」
こういう時のリチャ!ほんまに。
末「どうしたん?」
草「俺ん家来うへん?」
あぁ〜もうこのグループあかんわ。
おわり
3話ぐらいで終わる予定だったんですけど伸びに伸びました。すーません。
お詫びにもう1話投稿させて頂きます。お詫びになるか知らんけど。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。