あの少年との出会いは普通だった。
本当に、普通だった。
??「君って、三条 澄人くんだよね。」
「えぇ、そうですけど。」
俺は彼のことを大学校内で見覚えがなかったし、授業でも見かけたことがない。
??「ねぇ、よかったら僕と友達になりませんか?僕、まだ友達いなくて。」
「あぁ、まぁ、いいですよ。俺でよければ。そういえば、名前は?」
俺はこの時、今後、自分が少しずつ苦しんでいくとは全く想像してなかった。
??「え、僕?
自称 天使だよ。」
そう笑顔で言った時のあいつの目は、どこか闇を持っていた。
たぶん、この瞬間に呪いをかけられたのだろう。
'色'が見えなくなる呪いを。
そして、俺はそこで意識を失ってしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!