私は後ろを向いて、歩き出した。
2人を置いて。
2人も私の異変に気付いているだろうに。
けど…、だけど…、ごめんね。
優衣、沙月。
八つ当たりだってことはわかっているよ…。
だけどね…、だけどさ。
振り返れば、気まずそうな顔をした2人。
こんな顔にさせてしまったなんて。
申し訳なくて…、自分が嫌いになる。
優衣のことも、沙月のことも、大好きだよ。
親友だよ。
いつメンってヤツで、ずっと一緒に居たいと思うよ。
だからこそ、託せるんだよ?
2人だから…。
崩れてしまうかもしれないパワーバランスを保つ事を。
スクールカーストを支えることを。
なくな、わらえ、
『いつでも明るい』それが私じゃないか。
別に2人と関係を切るわけじゃないよ。
切りたくないよ。
だって親友だもん。
もう、言葉がそれしか出てこないから。
暫くは休憩でもさせて?
ほんと、ごめんね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。