第12話

美しい空と書いて(1)
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2019/05/06 08:54
今回は、美空 視点です☆
何話か続きます!!

吹き出しの色、変えました~!

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私の名前は、前原美空。

美しい空と書いて美空。
私には全くと言って、似合わない名前だ。
七瀬
ほんと、お前うざっ!
美空
ななちゃん、ごめん。
七瀬
ななちゃんとか……、消えて!
私には双子の妹がいる。
それが、七瀬。


『美空』の由来は、今は亡き父しか知らない。

『大人になったら教えてやる』そう約束したのに、呆気なく死んでしまった。

気づいた時には末期癌だった。
どちらかというと私は『曇り空』だろう。
根暗ではないけど…。

そんな私とは全く違うのが『ななちゃん』だ。
明るくて社交的で可愛い。


勉強はイマイチできない様子だけど、とってもいい子…いい子だったんだけれど。
前原家の母
美空ちゃん、言ってくるわね!
美空
う、うん。
帰りは遅くなりそう?
前原家の母
朝になるわね。
それじゃあ、行ってきます!


原因は母親にあると言えるだろう。

父が亡くなって、暫く立ち直れなかった母は、男に依存するようになっていった。

…それはそれは、毎日、毎晩。

優しく朗らかな人だった母は、

ナチュラルメイクだった母は、


濃い化粧をするようになり、
開けていなかったピアスを開け、
もう何年も履いていなかったヒールを履くようになった。

胸元が大きく開いた服を好み、
男から貰ったであろう高価な宝石を身に付けるようになった。


それを仕事とし出したのは、私が中学に上がって、少し経った頃だった。

それからだ。
『ななちゃん』がグレてしまったのは…。

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