明日から私は3軍に降りることにした。
今日で最後。
だから、ちゃんと仕事はやるよ、1軍様。
彼女が莉音が言っていた、新しいターゲット、
『マエバラミソラ』こと、
前原美空
1軍で物凄いギャルの前原七瀬の双子の姉だ。
前原七瀬自体は、私たちのクラスではないのだが、女王様・莉音様の親友らしい。
そして、双子の姉を異常なまでに毛嫌いしていることで有名だ。
それこそ、自身の姉だとは思えないほどの罵倒を浴びせている。
トイレに呼び出して、水をかけたりとか。
上履きに画鋲を敷き詰めたとか。
でも、それは他クラスの七瀬が、『トリマキ』と共にやっていたこと。
きっと、莉音様は、七瀬に何か言われて、それで私に…。
まあ、このようなところだろう。
色々考えていれば、あっという間にホームルームは終わり、放課後へ。
教室を見渡せたば、美空はもうおらず。
私は急いで屋上へ向かった。
私は美空をいじめなきゃいけない。
それが仕事。
今日までの私のお勤め…。
だけど…、もういいでしょ?
驚いている美空が視界に入った。
私は正気だから。
お願い、お願いだから。
私は勢いよく頭を下げた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。