6限目が終わり、ホームルームで先生のその言葉を聞いたのは、莉音が底辺とかして1週間が経った頃だった。
莉音はチア部をやめメイクもしなくなった。
高飛車女王様が堕ちるのは意外にも早かった。
それはそうと、何故、前原七瀬が自殺なんて。
自殺なんてしたのだろうか。
先生がそういうと、タイミングを見計らったようにチャイムがなった。
全ての終わりを告げるような。
復讐が終わったのを教えるような、そんなチャイムがなった。
でも、なんでだろう。
美空の仇はとったのに。
なんなの、この胸糞悪い終わり方は。
私は、もっと苦しめたかった。
特に七瀬には、もっと苦しめたかったのに!!
気がつけば私は、『協力者』と教室に2人っきりとなっていた。
ニヤリと笑いながら近づいてくる『協力者』を見て、私は鳥肌がたった。
もしや、『協力者』が何かした?
その可能性が大いにあるから怖いんだ。
何故なら『協力者』は七瀬や莉音たち1軍を嫌っているから。
嫌っている人だと、私はよく知っているから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!