勢いよく手を挙げて起きたあなたは、
俺達を見るなり、首を傾げた。
そう言われて、
「えっ」と言葉を詰まらせる。
困惑した俺達にあなたは
もっと首を傾げた。
硝子がそう言うと、あなたは目を丸くした後…
大笑いしてベットの上で転げた。
困惑してドヨドヨする俺達。
笑いででてきた涙を掬い、そういうあなた。
あれ、なんだろう。
おかしいな。
あなたがあなたじゃない。
ニコリと微笑んだあなたの表情は、
いつもの作った笑いではなく、
本当の笑顔だったのだ。
何度聴いても、
あなたはよく分からない答えを出してきた。
結果は、
机に突っ伏して頭を抱える。
窓の外の蝶と戯れながら皆と話すあなたを見て、
またため息が出てくる。
あなたの笑顔が、全く違うように変わったなんて。
____次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。