伏黒side
急がなければ。
津美紀が死ぬ前に。
津美紀は寝てる。
津美紀が申告できない以上、
いつ殺されるのか分からない。
一刻の猶予もない。
______藤沼さんは八十八橋の上に行ってないっす。肝試しは橋の下で行われたっス。
補佐官の人がそう言っていた。
なら、橋の下だ。
橋の下に向かって足を進める。
気づいたら、あなたが隣に立っていた。
釘崎と虎杖までいた。
…そう、かもな……
あなたがニコリと笑って刀に手を置いた。
皆の言葉に口角をあげた時、
あなたがパンっと手を叩いた。
…技?呪術じゃなくて?
疑問を抱きながらも
あなたの後ろをついていく。
川を渡る行為は、
川や境界を跨ぐ彼岸へ渡る行為は
呪術的に大きな意味を持つ。
補佐官の人の言う通りなのかもしれない。
だって今、景色が変わった。
グサッ
ボトッと落ちた腕を見てそう言うあなた。
入った瞬間に呪いの居場所を把握して刺したのか…!?
反射神経がずば抜けてる…!!
全員構えだした瞬間、
あなたの刃が誰よりも先に、呪いの首にあたる。
この瞬間、俺は理解した。
呪術師としてのあなたのレベルが、
信じられないくらい上がってる事を。
尋常じゃないほど上がったスピード。
この間の特急とほぼ互角な戦闘能力。
呪いの探知能力。
今、あなたは何級だ?
俺らと同じなのか?
虎杖があなたの肩に手を置いて、
あなたを下がらせた。
ズァァッと虎杖の呪力が見える。
プクゥッと呪霊の顔が膨らむ。
虎杖がそれに気づいて上に逃げ、
吐き出されたものは木に当たった
呪いの懐に飛び込んだあなたが
呪いを切り裂く。
が、避けられた。
傷が浅い。
俺も釘崎も攻撃を仕掛けるが、
モグラ叩きのようだ。
早すぎて追いつけない。
気づいたら別の穴から顔を出している。
ツギハギの男がどこからか顔をだし、
あなたの両腕を掴むと、そこに引きずり込んで行った。
___次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。