五条side
別にあなたを裏切ったとか、そんなつもりは無い。
ただ、立場上どちらか片方の肩を持つと言うことは出来なかった。
だから、あなたや愛を探っていた。
愛がカッターキャーをされたと喚くものだから、
その時はさすがに信じそうになってしまったけれど
そういう事をする子じゃないというのは
わかっていたつもりだった。
あなたへの嫌がらせを増えてきて、
さすがにと思い話を聞こうとしたが、
その日に突然あなたは居なくなった。
いや、消えた。
逃げたのなら3日程度で見つかるはずだったが、
1年間も経っていた。
突然あなたが帰っきた時は驚いた。
雰囲気より前に、呪霊が沢山着いていたのだ。
呪霊はあなたに気づかれないように上手くやってるらしい。
でも、どの霊も悪さをする奴ではない。
あなたを守ってると言っても過言ではなかった。
仮にも僕は彼女を裏切ったような素振りを見せた。
けど、それでもこんな笑顔で挨拶をしてくれるのだ。
顔真っ赤だよ恵。
背中で見えなかったが、大量のお萩を手に持つあなた。
よく見たら恵も持っていた。
少し口角をあげてそう言った。
ていうかどこからその大量のおはぎ出てきたの。
なんて思いながらそう言うと、
悲しうような、懐かしいようなそんな笑顔だった。
恵がそんな事を聞いた。
僕もそう思ったが、言わない方がいいものもあったようで、少し泣きそうな顔をするあなた。
恵、失敗したね。
驚いた。
そんな表情をするんだ。
そんな悲しそうな顔を。
僕はあなたの事を全然知らないらしい。
___次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。