第33話

参拾弍
35,683
2021/01/09 11:08



1年前にも同じような事があった。




愛を虐めているというあなたに、

直接話を伺うべく、あなたの部屋まで来たのだ。






コンコン





ノックをした。





……。




返答がなかった。




五条悟
五條先生だよ〜。
…入るよ?



そう言って、恐る恐るドアを開けた。





部屋にあなたは居なかった。




荒れた部屋。

あなたの呪具。

所々に落ちている落ち葉なんかのゴミ。






その日、あなたに任務は無かったしなんなら夜だ。





高専を探してもどこにもいない。

高専に居ないならどこにいる?




呪いに襲われるかもしれないのに、呪具を置いてどこへ?






2日、寝ずに探したのを覚えていた。






また1年も戻ってこない?

なんなら一生?






ごめんだね、そんな事。





こういう時、嫌でも思い出すのは傑の事だ。



大量の人間を殺した傑。
1番の親友だと思ってた。



こうなるなんて思ってなかった。






…いつだってそうなんだ。







思ってもみなかったことが起こる。


傑に関しても、あなたに関しても。






どこにも行って欲しくないのに。








あなたはどんな時でも笑ってた。




感情が薄いんだって、初めて見た時にすぐ分かった。





…分かるのはそれだけ。






一目惚れに近かった。






信じられないくらい脈ナシだったけど

最低限しか話してくんなかったけど

何考えてるかとかまあ分かんなかったけど





それでも好きになっちゃったんだ。






五条悟
…はぁ…またこれじゃん…ウケる



そう言って目隠しを外してベンチに座った。






探しても探しても見つからない。

この世にいるのかも、何もかも分からない。





何も知らない。






………ほんと、何もわかんない。





けど、これだけは知ってる。





大瀬良(なまえ)
大瀬良あなた
大丈夫です…か……あ。



たとえ誰だか分からない相手だったとしても、

迷わず手をさしのべられるくらい、





あなたは優しい人だって。






____次回もよろしくお願いします!
(言い忘れてましたが、落ちは五條先生です!←何肝心なこと忘れてやがんだ。土下座しなさい)



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