大きい声で耳がキーンとする。
その後から「先輩を敬え!!ピーガガ」なんて音が聞こえてきた。
仲がいいんだか悪いんだか。
羽織りの中に手をお入れながら、トトっと軽足で走る。
いつも任務で走っている時より皆さん遅いですね。
すると、バウッと吠えた玉犬が前に出た。
呪霊か……。
真希さんが構えたところで、
にこやかに言いながらも少し声を張って言った。
突如、ガッとパンダさんの前に現れる大きい腕。
全員が構えた時、私は木の上に上がった。
虎杖くんが東堂くんの頭を掴んで、
足で思い切り顔を蹴る。
その瞬間、
真希さんの一言で全員が散る。
私はと言うと、木の上で虎杖くんを見守る。
まぁ、大丈夫でしょう。
そう言う東堂さんに少し引く。
今のは結構いいのが入ったはずです。
ズズズと拳を上げる東堂さんに、少しぞくりとした。
構える虎杖くん。
やばいぞと思った瞬間、呪いが間にはいった。
呪い越しに殴られた虎杖くん。
呪いがいなかったら今のは危なかっただろう。
人の気配が多くなった。
もう集まってきたか…
あっちと、そっちと、そこと、そこと…
数える限り京都の人達は全員いる。
どうしたものかと考えていると、バゴォッと虎杖くんが蹴られる。
頭をゲシゲシ蹴られる虎杖くん。
既に血まみれだが……きっと問題は無いだろう。
立ち上がった虎杖くんを見て、東堂さんがそう言う。
知らないだろうが、虎杖くんは今まで私の相手をしてきたのだ。
……掠っただけで耳が少し切れるような攻撃を、虎杖くんはなんどもうけている。
自分で言いますか、それ。
漫才すな。
さぁ、虎杖くん……
あなたはなんて答えるか。
___次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。