ゴフッ
小娘が口から血を吐き出した
まぁ無理もないだろうな。
頭を強く打ち、出血していたというのに、肋骨まで何本か折れてる。
立っているのが不思議なくらいだ。
しかも喋れると。
活きがよすぎるな。
その怪我でよくもそこまで喋れるな。
この女、本当に人間か?
凛々しい目付きでこちらを睨む小娘。
ふむ、と顎に手を添えて考えた。
コイツ、俺が今まであったことの無い奴だな。
己の命より他を優先させ、己の命を惜しまず、俺に反抗する女とは…
それにしても、人間から感じるものとは少し違うところもある。
そうか、
俺の言葉に少し眉を寄せた。
あたりか。
突然切りかかってくるものだから、思わず避けた。
動かぬ方がいいものを…
勢いよく回転して切りかかってきた。
ピシッと少し掠る。
…ほう。
しかし、人間の体とは全く弱いものだ。
酷く咳き込み、血を吐く小娘。
パタっ
…死んだか?
ツンっと倒れた小娘の頭をつつく。
面白くないな。
でもまぁ面白いのを見つけたと言ったら見つけた。
この娘は面白い。生かしておく価値はある。
死なれたら困るので、
とりあえず瓦礫などがない床に寝かせ、
来ていた上着をかけてから建物内から出た。
…伏黒恵を探すか
____次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。