自室でやっと作り終わった試験官の中にある液体を持ち上げてそうつぶやく。
これなら2級までは殺せる。
どれくらいの量で殺せるのか試さないといけないな。
4級捕まえてくるか…
捕まえてきた4級くらいの呪霊6体。
苦労した。
封印が施された小さな牢屋っぽいものに呪霊を入れる。
虫カゴならぬ、呪霊カゴ?
そう言って栓をした試験官に入っている毒を見せる。
振るとチャプチャプと音がした。
テッテレーとドラえ〇ん風に見せる。
そんな怯えた顔しないでくださいよ。
別に人間に使うわけじゃありませんし
真剣な眼差しでそう言われたものだから、
そう言って手招きしてドアを開けた。
そう言って毒で殺してしまった4級6匹に、
手を合わせて目を閉じる。
ある程度祈ったあとで、目を開けると、
伏黒恵くんがこちらを驚いた様な顔で見ていた。
有り得ないという顔をする伏黒恵。
…普通ならそういう反応しますよね。
でもね、伏黒恵くん。
消えてもう跡形も無くなってしまった、呪霊がいたその場をサラリと撫でる
眉を下げてそう聞くと、
少しは理解してくれたのだ。
驚いた。
鬼に情けをかけた時は、ほとんどの人が哀れみの目で見てきたのに。
思わず見つめていると、鼻をつままれた。
鼻から手を離してくれて、鼻をさすりながら「あー」と言う。
これで少し、距離が縮んだかな…?
その後、自分の部屋に戻った恵くんは…
ガッツポーズをかましていた。
__次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。