五条side
あと少し、あと少し。
あと少しで追いつく。
あとちょっとであなたを取り返せる。
ずっとずっと集中して、足を動かして追いかける。
僕の手が届くほんの1メートルくらい前。
身体が少し押し戻された
あなたの呪力によるものだ。
全員が驚いてる。
僕も驚いてる。
あなたの姉妹達があなたに話しかける。
あなたは暗い顔をして、
弱々しい声が聞こえてくる。
あなたは泣いていた。
あなたの涙が空気中に流れていく。
カナエさんがハッとしたような顔をする。
,
,
「私も連れて行って欲しかった。」
「ずっと会いたかった」
「楽になりたかったのに」
そう言って泣くあなたに全員が黙った。
呪霊がニコリと笑って頷く。
それを見て、決心したようにあなたはこちらを向いた。
___次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。