ドテッ
ただいま、先生達の会議の会話を天井から盗み聞きしていて、
天井から落ちてバレた大瀬良あなたです。
先生達の目が痛いですね。
半笑いで聞いてきた先生。
内心冷や汗止まりませんね。
あら、糞学長ではありませんか。
虎杖くんをよく殺そうとしてくれましたね。
そんな事を思いつつも、ニコリと笑って答えた。
嘘をついても意味は無いな。
五条先生…私の事嫌いなんですか…
先生達の顔を見て、少し考えてから腰にたずさえていた刀を外した。
めんどくさいけど仕方ない。
そう思い、2本の刀を自分の隣に置き、背筋を伸ばして綺麗に正座した。
まるで家内での柱合会議の時みたいにね。
今気づいた。
先生隣にいるじゃん。
身長差が目に見えて涙出てくる。
先生が「おー」と何やら感心しているけど
私は知らないフリをする。
おかっぱ…
……。
スっと息を吸って怒りを何とかこらえた。
ガッ
横から思い切り肩を捕まれ、
驚いて思わず目を見開いた。
その犯人はあの五条先生であり、
見た事ないような焦ったような顔をしていた。
目は見えないが。
記憶を辿りながらそういった後、
押され気味だった体を少し起こし、
私の肩に置く先生の片方の手を掴んだ。
そう言うと、図星をつかれたようにバツが悪そうな顔をして、先生は私の肩から手を離した。
そんな事を言われたもんだから、少しムカッときた。
刀を持って立ち上がり、腰にたずさえたあとで羽織りをバサッと払う。
そう言って襖を開けて廊下に出た。
ト、ト、トと言う木でできた床を歩く音が
いつもより大きく聞こえる
ピタリと足を止めた時、蝶が目の前を通り過ぎる
指を出すと、
蝶は迷いなく私の指に止まる。
青い蝶。
そんな蝶を見ながら、先生の言葉を思い出す。
______あなたの事、全然知らないなって。
あの時、あの月の下で、
そう言われた。
そう言くと飛んで行った蝶を見ながら、
腰の刀に手を置いた。
___次回もよろしくお願いします!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。