第48話

肆拾漆
32,816
2021/01/10 14:08



ドテッ




みんな
…あ
大瀬良あなた
……^^;



ただいま、先生達の会議の会話を天井から盗み聞きしていて、



天井から落ちてバレた大瀬良あなたです。






先生達の目が痛いですね。




五条悟
五条悟
…何してるの?(笑)



半笑いで聞いてきた先生。




大瀬良あなた
…かくれんぼですかね



内心冷や汗止まりませんね。




五条悟
五条悟
へっはっはっw
無理があるでしょww
楽巌寺嘉伸
楽巌寺嘉伸
どこから…聞いていた。



あら、糞学長ではありませんか。



虎杖くんをよく殺そうとしてくれましたね。





そんな事を思いつつも、ニコリと笑って答えた。
嘘をついても意味は無いな。




大瀬良あなた
人的被害についてからですね^^*
五条悟
五条悟
ははっw
大事なところちゃんと聞いてんじゃんw



五条先生…私の事嫌いなんですか…




夜蛾正道
夜蛾正道
…まぁいい。そこに座れ。
お前にも聞きたいことはあるんだ



先生達の顔を見て、少し考えてから腰にたずさえていた刀を外した。




大瀬良あなた
分かりました。




めんどくさいけど仕方ない。



そう思い、2本の刀を自分の隣に置き、背筋を伸ばして綺麗に正座した。



まるで家内での柱合会議の時みたいにね。





今気づいた。




先生隣にいるじゃん。
身長差が目に見えて涙出てくる。




大瀬良あなた
聞きたいこととは、
何でしょうか
五条悟
五条悟
(めっちゃ礼儀正しいじゃん)



先生が「おー」と何やら感心しているけど

私は知らないフリをする。




夜蛾正道
夜蛾正道
話を聞いていたなら分かる通り、
今回の騒動は
お前を呪霊側に勧誘した奴らの仕業だ。
おかっぱの女か男か分からんやつ……
見覚えはないか?



おかっぱ…




大瀬良あなた
…知りませんね。
おかっぱ…なんて、
見た覚えはありませんよ
楽巌寺嘉伸
楽巌寺嘉伸
嘘は意味ないからな



……。




スっと息を吸って怒りを何とかこらえた。



大瀬良あなた
…嘘なんて、言う必要が
どこにありますか。
大瀬良あなた
私が見たのは、
真人と言う少年の格好をした呪いと
今回現れた精霊のような呪い、
先生が襲われた火山頭。
大瀬良あなた
それから、
夏油傑という呪詛師でs…



ガッ




大瀬良あなた
!?




横から思い切り肩を捕まれ、

驚いて思わず目を見開いた。




その犯人はあの五条先生であり、

見た事ないような焦ったような顔をしていた。





目は見えないが。




五条悟
五条悟
夏油…傑…!?
ほんとに、ほんとにそう言ってた!?
大瀬良あなた
え…あ、はい…
そうですけど…
五条悟
五条悟
何話した??
なんて言ってた??
大瀬良あなた
えっ…と、
名前と、勧誘の話と、私の12年前の話…
それから、「よろしく」…くらいですけど


記憶を辿りながらそういった後、

押され気味だった体を少し起こし、

私の肩に置く先生の片方の手を掴んだ。




大瀬良あなた
夏油傑さんが、
どうかしましたか?
大瀬良あなた
随分、らしくないですね



そう言うと、図星をつかれたようにバツが悪そうな顔をして、先生は私の肩から手を離した。




五条悟
五条悟
…ごめんね




そんな事を言われたもんだから、少しムカッときた。




刀を持って立ち上がり、腰にたずさえたあとで羽織りをバサッと払う。




大瀬良あなた
私はこれで失礼します。
あ、勧誘に関してなら断りましたので、
安心してくださいな。
……それでは。




そう言って襖を開けて廊下に出た。





ト、ト、トと言う木でできた床を歩く音が

いつもより大きく聞こえる





ピタリと足を止めた時、蝶が目の前を通り過ぎる




指を出すと、

蝶は迷いなく私の指に止まる。




青い蝶。





そんな蝶を見ながら、先生の言葉を思い出す。







______あなたの事、全然知らないなって。







あの時、あの月の下で、

そう言われた。






大瀬良あなた
…私だって、知らないし。




そう言くと飛んで行った蝶を見ながら、

腰の刀に手を置いた。








___次回もよろしくお願いします!


プリ小説オーディオドラマ