前の話
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バンッ
大きな銃声音が響き渡った
___私は孤ろし屋のメンバーだ。
1ヶ月に1人組織から指示されたターゲットを殺すという仕事だ。ターゲットは完全ランダムで選ばれる。そのターゲットを殺せなかった場合、かわりに自分が殺される。当然こんな仕事政府から公認されているわけはなく、組織はいろんな手を使ってなんとか今までバレずにやってきている。
孤ろし屋に所属している人は"ライザー"と呼ばれ、私以外にもライザーは居るらしい。しかし、情報漏れの危険があるため正体をバラしてライザー同士で会う事は認められていない。
今日も1人、ターゲットを殺した。
何もしていない人間を殺す。
何のために、誰のために殺すかも分からない。
指示されたから殺す。
私はこんな人生を楽しいとも退屈だとも思っていない。
そしてまた、次のターゲットを殺していく___
この子は畠中友理奈。
勉強は苦手で口が達者だけど、
私が唯一心を開いてる親友だ。
この男の子は同じクラスの奏多くん。
頭も良くて運動神経も良くて優しくて
とてもモテる。
そんな彼だが、なぜか私達と仲良くしてくれている。
(琴乃の頭を撫でる)
___放課後___
ピコンッ
組織からのメールだった。
組織からのターゲットの指示は毎月1日に携帯で連絡が入る。今月のターゲットは四十代男性。四十代までいくと体の動きが鈍いため結構簡単に終わらせることができる。
___住宅街___
男性が後ろを振り向くと琴乃が銃口を向けていた。
バンッ
__次の日__
次回へ続く____
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!