卒業まであと三日。体育館は既に卒業式の準備がされている。
休み時間でざわめく教室の中に周りにかき消されるほど小さな声で呟いた
前の席にいた美樹が振り返り、聖奈の机に共に肘をつく
そばの席にいた弥生もこちらに体を向け会話に入った
美樹と聖奈は弥生の言葉に必死に頷いた。
近くで話を聞いていた奏太が目を輝かせて覗き込んできた
すると奏太の後からちらりとこちらを伺う人影が動く
こうして、気がつくと聖奈の周りには4人の親友が集まりワイワイと場が盛り上がった
会話が終了すると、丁度チャイムも鳴った。
やっぱりこの時間が続けばいいのに、と思ってしまう。
こんな幸せな日々が終わってしまう。
そんなことを考えていた聖奈はいつの間にか涙を零していた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。