卒業まで残り一日。
聖奈はやっと作り終えたアルバムをプレゼント用の袋に入れた
アルバム作成の工程を終えた聖奈はほっと胸を撫で下ろした
明日で最後の学校生活。
少し冷たい風が吹く中、重い足取りで学校へ向かった
教室のドアを開けるといつもと変わらない騒がしさだった。そして、いつもと変わらない美樹と弥生の声
風が強かったせいか、ぐしゃぐしゃな髪の毛に気づく
聖奈が慌てて直そうと手を髪に伸ばそうとするより前に爽の手が届いていた
優しく頭を撫で微笑む爽はそのまま自分の席についた
照れている聖奈の顔を見て二人はにやけた
慌てて奏太の背中を押し無理やり席に座らせた
爽の方に目を向けると気持ちよさげに眠っていた。その口元はかすかに微笑んでいるようにも見えた
聖奈の胸は未だにドキドキと高鳴っていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。