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じんたんにフラれる夢を見た俺は朝起きると涙が零れていた。
俺はすぐ側にあったティッシュで涙を拭き取る。
あんな夢を見るなんて正夢になるんじゃないかと思うとじんたんへの想いを伝える日が遠くなった。
やっぱり同性じゃ…ダメ……だよな…、
朝からため息をついたのは初めてだった。
今日はなんだか悪い予感がする。
そんなことを思いながら支度をして学校へ向かう。
そして学校につき、じんたんの姿が見えた。
じんたんを見るたびにあの夢を思い出して怖くて泣きそうになった。
涙が1粒零れそうになったが、皆にバレないように頑張って涙を必死にこらえた。
そんなネガティブな考えながら今日もじんたんに想いを伝えられないまま1日がすぎる。
そして放課後になり、いつも通りじんたんを一緒に帰ろうと誘う。
じんたんとの帰り道にて___。
付き合うわけないじゃんか、
なんて言えず。
俺はうまく言葉が言い返せなかった。
じんたんは明るい顔で俺に言う。
今すぐ付き合ってないって言いたいのに言葉がなぜか引っかかる。
次第に胸は痛くなってきた。
じんたんは俺の言葉を遮る。
余計に言いづらくなった。
じんたんは俺に手を振りながら言う。
その帰り道はもうじんたんの家に近かった。
笑顔で俺に手を振るじんたん。
あぁあ…朝の悪い予感ってこの事だったんだ…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。