じんたんが寂しそうに俺のことをチラチラ見てくる。
正直胸が痛くなった。
でも……じんたんを困らせたくないんだ…。
じんたんに好きって言ったら引くでしょ…?
恋愛感情を持ったら気持ち悪いでしょ…?
俺はまだじんたんとの距離を遠くにしたくない。
ある意味遠くなってるけど…さ……。
じんたんが泣いていた。
頭を伏せながら、皆に心配かけたくないのだろう。
じんたんに届かない声を口に出した。
そんな顔されたら
頬って置けるわけ
ないじゃんか、
じんたんは顔を上げた。
すると目は赤く腫れて、すごい泣いていた跡があった。
だが、もう遅かった。
俺はじんたんに
嫌われたのだから。
……これで良かったんだ。
これでじんたんのこと…諦められる。
でもこれだけは言わせて。
俺は誰にも聞こえない声で言った。
すると、俺も涙が出てきた。
ポロポロと、
俺は誰もいない屋上へ行った。
君に恋してごめんなさい。
君を裏切ってごめんなさい。
全て俺の感情のせいだ。
もう早く卒業したい。じんたんから離れたい。
もうこれ以上辛い思いはしたくない…。
ねぇ神様…あと何回辛い思いをしたら
この想いが消えますか?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。