家に着いた瞬間、俺は頬を赤らめた。
理由は寄せ書きのこと、
でも、今までの気持ちを伝えなきゃ絶対後悔すると思い書いた言葉だった
今まで俺の気持ちがあやふやだったのはきっと同性だったからだろう。
だから無理矢理自分のホントの気持ちを抑えて本当に好きかどうかが分からなかったんだ。
でも、そんな大好きな人とももう会えない。
"だった人"
もう会わなければこの気持ちはなくなると思っている。
だからもう、テオくんのことは普通の友情に変わった。
はずだったのにな……。
高校。春。入学式。
俺は今日から高校生になる。
友達作りが苦手な俺はすごく不安な気持ちでいっぱいだった。
俺は5組の教室に向かった。
ん?聞き覚えのある声…
誰だろうと思い、後ろを振り返る。
その目線の先には
そう。俺が大好きなテオくんの姿だった。
俺が入学した高校はテオくんと一緒だった。
その時、俺はあの寄せ書きのことを思い出した。その瞬間、テオくんに目を合わせられなくなった。
テオくんは不思議そうに俺を見た。
きっとまだ気づいてないと思い、もう1度テオくんの方を向き、いつも通り接した。
お願い…。一緒のクラスであって欲しい…
テオくんと一緒のクラス!
これからが楽しみだなぁ…
キーンコーンカーンコーン♪))))
まさか同じ高校だったなんてね。
これからもまたよろしくね。"俺の大好きな人"
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!