俺はじんたんと帰り、告白のことを伝えた。
でもじんたんは、
なんて言葉を出した。
でもホントは付き合いたくない。付き合う気はない。
理由はじんたんが好きだから。俺の隣はじんたんがいいから。
……なんでじんたんはそんなこと言うのさ、
俺はじんたんが好きなのに…、
なんて言葉は言えず、
と答えてしまった。
ほんとは嫌だった。じんたんと付き合いたい。
でも、同性、そんな簡単に俺の願いは叶わない。
俺は家に着き一人で悩んでいた。
どうしたらじんたんにこの想いを伝えられるか。どうやって伝えるか。
もう俺の頭の中はあの女の子のことは全くなかった。今はじんたんで頭がいっぱいだった。
想いを伝えられないなら…
行動で示せばいいんだ。
……急にじんたんにベタベタくっつくのは気持ちわるがれるか……、
でもこうするしかない。これしかできない。
そう、俺は独り言を呟いた。
じんたんに届かない言葉を。
──次の日になり
よし、今日から頑張るか。
じんたん、俺頑張るよ。
じんたんにこの想いが届くように、
少し気持ち悪がれるかもしれないけどもう後戻りはできないんだ。
────────
にゅ~べいび~泣いた。
とにかく泣いた。
『寺藤より。』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。