何十回目だろうか。
カードを引き、引かれ、合ったものを捨て場に捨てる。
ソレを何十回繰り返しただろう。
ソレでも2人の目から『勝つ』と言う感情が消える事はない。
ただまぁ、コレでも2人とも人間。永遠ピリピリと言うのも気が痛くなる。
『黒幕』
コレを言われれば、放っていた1つの謎をひまわりは思い出した。
詠符と蒼乃の共通遺言、『雨』。
コレは一体どの様な事を指すのか、、、
知ってる?
閃きのネジが緩む事は、基本唐突に起きるんですよ。
ひまわりは、思った。
初めに『雨』と言った蒼乃。アレはただ単に雨が嫌いという訳では無かったら?
彼女は、恐らく先に2人が見つけた隠し部屋を壱番ゲームの時に、幸か不幸か見つけた。
このゲームで行われている賭け。そして、黒幕を知った。
だから、意図的に殺されたとしたら?
『雨』は、黒幕を示すヒントだとしたら?詠符はソレに気付き、他の皆も気付くようにしたとしたら?
黒幕は、人。そして、このデスゲームに関連する、『雨』の関係する人物。
1人、心辺りがあった。
あり得る話だった。
黒幕が季だとしたら、既に退場している為、裏でゲームを操る事も可能。
きっと、偽の死体を作る事だって、、、
止まって、噛み合わなかった歯車が、今再び、噛み合ってしまった。
チエッ
『このゲームの主催者は、
雨晴季、彼女だよッ!!!!』
その数分前
観戦ルームでは、富豪達が自身の賭けた者に喝を、もう1人に罵声を浴びせていた。
『いけッ!殺せッッッ!!!!』
『女に殺されんなッ!!!』
『この糞がーッ!!早くやれよッ?!?!?!?』
その中、コツンコツンと靴音を響かせ、1人が来た。
『あン?誰だお前、?』
『は、?なんでお前が、、!?だって、お前は既に、、、!!!
1人の富豪が口をひらいた途端だった。
パァンッ!
乾いた銃声が響いた。
その数分後、観戦ルームからは人1人の気配もなくなった。
next▶︎『主催の得たかったモノ』