此方の話は、この参加型小説全般に関わる膨大なネタバレが御座います。
全ての話を読み終わりコレを読んでも良し。
コレを読んでから他を読んでも別の見方が出来るかも知れません。
そして結局誰も救われません。
読まなくても平気です、半分くらい主の自己満が含まれますから。
では。
隠し部屋にて、全ての結末を見た影は、絶望していた。
思い出した。
先に、自分が銃で撃ち、屍体と成り果てた富豪達の姿を。
2人の目的が富豪達への不幸だけなら、2人は死ぬ必要はなかった。
富豪は既に死んでいたから。
でも、
蒼乃、詠符、美恋、緑、、、、、、、そして、
季。
影は部屋の鏡の前に行き、自分の顔を見た。
緩く笑うのは、このゲーム参加者の1人にして、黒幕であるジェイドだった。
ジェイドはエントランスへ向かった。
季が死んだ場所だ。
そこには赤黒く変色した花に包まれる、季だった肉片があった。
少し瞳を閉じ、今まであった事、自分がこんな事をやる様になった経緯を思い出す。
初めは季からのスカウトだった。
彼女は言った
『その人に対する憎しみ、晴らしたくありませんか?』と。
彼女はデスゲームを主催すると言った。
そのデスゲームでは誰が生き残るのかを、富豪達に金を賭けてもらうとも。
そしてゲームが終わったらその富豪を殺しても良いと。
その富豪達は、人を貶める事しかやらなかった屑野郎だった。
『憎いでしょ?殺しても良いよ、その代わり手伝って下さい。』
初めは素直に参加者に紛れ、初めに脱落し、隠れ部屋で全てを見ていた。
でも、その間に憎しみは富豪達だけでは無く、彼女にも映った。
だから、彼女が退場するあの処刑。
アレは本来ダミーを使う予定だった。
でも、殺した。
いくら過去が重くとも人を殺め感情を知ろうとする、季に、嫌悪を感じたから。
自分を過去に認めず、自分の感情を、殺させた奴らと重なってしまったから。
1人になった邸で、ジェイドは呟いた。
その時、だったんだ。
グサッ
ジェイドの腹を、ナイフが貫く。
白い服が、赤く染まる。
意識が遠くなる。
天国に行ったら、皆になんて言われるかな。
軽蔑されるかな?
や、僕は、、、天国なんて行けないよね、、、、、
あぁ、なるほど。翡翠か。
そんな天女みたいな優しい声が、僕が最後に聞いた声だった。
ソレは、許されない事をした僕にはあまりにも優しすぎたんだ。
2人の子どもらしい影は、邸を出て、笑いながら消えていった。
2人は、きっと恵まれた運命を探しにいったんだろう。
その後、2人は誰にも見られていない。
ただまぁ、双子なんて世の中腐るほどいますし、、、、、。
何処かで笑い合っているかも知れませんね、
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