第61話

お華ちゃんのお話
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2021/02/28 16:34




お丸の実の妹、お華





団子屋の看板娘で江戸の美少女として有名だ










お丸「お華、どうして外に出ないのかい?」




『少し…怖くて』




華は鼠が亡くなってから、外に出るのを嫌がった





『友達のりっちゃんが言ってたの…』




『女、子供まで切り殺す方がいるって…』




お丸「女子供まで、?」




『そう…黒影組、だとか…』




お丸「そうかい…。でも、お昼団子屋には顔出したらどう? みんな寂しがってるわよ」




『うん、、分かった』













お丸「あら!いらっしゃい!」




新吉「お丸、いつもの」




お丸「プロテイン一丁!」




「はいよっ!」




『いらっしゃい、新吉さん』




新吉「お華! 体調でも悪かったのか?なかなか顔見なかったから心配したんだぞ?」




『新吉さんごめんなさい… 体調は大丈夫です』




新吉「それならよかった、、」




お丸「新吉親分、ずっとお華の事心配してたんだから〜 お華お華うるさいのよ~」




新吉「……」




華「あら…新吉さんありがとうね」




新吉「おう…」





新吉は真っ赤に顔を染めた





















黒影組_______








官兵衛「皆殺しだ!」






半兵衛「官兵衛」






官兵衛「なんだ」






半兵衛「最近、江戸の町に顔を出すようだが、なぜだ」






官兵衛「半兵衛、 華って知ってるか」






半兵衛「そいつは女か」






官兵衛「そうだ、たいそう美しい…」






濁った顔の官兵衛










鼠が亡くなる数週間前_______






『暗くなってきたなぁ…』





官兵衛「お前、こんな夜道に何してる」





『はっ!、!』






暗い夜道で、官兵衛は刀を取り出した





そして華に鋭い刃先を向ける





だが、官兵衛はそこから動こうとしなかった







官兵衛「くっ…」





手は力が抜け、刀は地面に落ちる





『…殺さないの、?』




官兵衛「…」











官兵衛「お前…名前なんと言う」





『華、』





官兵衛「名前も美しい…」





官兵衛「なぜこんな夜道に」





『五十川先生のお家から帰る途中、道に迷ってしまって、』





官兵衛「そうか、俺が送ってやる」









そして華と官兵衛は歩き出した






官兵衛「勉学か?」





『はい、数日に一度はこうやって先生の元に訪れています』




官兵衛「いと勤勉なのだな。だがこんな夜に危ないぞ」





『優しいお方なんですね』














新吉「華〜!!」





お丸「華〜!!どこにいるのー!?」





「あっ、お姉様と新吉さんだわ」





官兵衛「お前を探しているようだな」





「ここまでて大丈夫だわ。ありがとう」




官兵衛「そうか…」





そして官兵衛は華と口づけを交わす






『なにを、!?』





官兵衛「お前は綺麗だ…、





落ち着いたら迎えに来るからな」





『へっ?』





お丸「あら!いたわ!」





『お姉様!』





『あっ… 貴方のお名前は!』





そう言った時には、官兵衛の姿は無かった






お丸「こんな夜道に怪我はないかい?」





新吉「大丈夫か!?」




『大丈夫よ。優しい方が送ってくださったの』




お丸「優しい方?」




新吉「男か?」




『うん。でも名前聴けなくて…』




お丸「親切な方で良かったわ〜!」









官兵衛。




華。あれ程綺麗な女は見たことない





それから江戸の町に忍び、団子屋を覗いていた






だが、鼠が亡くなってから






華は団子屋に顔を出さなくなった







華、お前は今何処にいるのだ…?











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