第13話

─11話─
466
2019/11/16 08:20
御波 直
御波 直
───という訳で、困っていて…
多田女医
多田女医
うん。
頷いて、沈黙が。



え?十秒経ったよ?
御波 直
御波 直
………??
多田女医
多田女医
ブフッ…アッハッハッハwww
多田女医
多田女医
え?何面白すぎでしょ?www
多田女医
多田女医
そんなことになってたのかwww
凄い今、珍しく俺が感情的になっていたのに、


なんか、踏み潰されたみたいな。


え?腹立つ、この人。


真面目に頷いて聞いてくれてんなって思ったのに。


笑うの堪えてたの?


てか、今の話笑うとこあった?


そんな、腹抱えてソファーバンバン叩いて、


足バタバタさせて。


お笑いしたんじゃないんだよ?


え??
多田女医
多田女医
はーっ…(笑)それにしてもお嬢がねぇ…
御波 直
御波 直
多田さん、今、夜中の1時ですからね。静かにしてくださいね?
多田女医
多田女医
あぁ、ごめんごめん(笑)
多田女医
多田女医
それで、私にどうしろってのさ。
御波 直
御波 直
とにかく話聞いてほしかったんです。
多田女医
多田女医
ふむふむ…
多田女医
多田女医
でもさ、まぁ、いつかこの時が来るって分かってたんでしょ?
御波 直
御波 直
…はい。
多田女医
多田女医
じゃあ今やんないと!
後々に回せば回すほど、辛くなるのは自分!
多田女医
多田女医
この問題はそういう問題だよ?
多田女医
多田女医
余計にお嬢のストレスが溜まるし、いっそこの機会に爆発させな。
多田女医
多田女医
どうなるか分からない、けど、やってみないと分かんない。でしょ?
御波 直
御波 直
……はい。
前言撤回。


流石、この人がここに居続けていられる理由が分かる。


的確で、当たり前のことで、


でも、自分では忘れていて。


多田さんはそこを指摘してくれる。
…そうか、もうむしろ、


お嬢の好きにさせよう。


爺さん殺しそうになったら止めてやる。


だけど、あの子はそういうことしない。


『いただきます』『ごちそうさま』


毎日、毎食、かかさず言う。


少しだけ疑問になって、聞いて帰る言葉は、


『生きているものだから』


真面目か、純粋か。


感謝して食う。当たり前で、難しいこと。
お嬢はそれくらい優しい。
でも人は人だ。


怒らない人なんていないし、


泣かない人なんていない。
多田女医
多田女医
私はただの医者だよ?
話聞いて、自分の思ったこと言えて、万々歳。
多田女医
多田女医
さ、明日からも頑張りなよ!
御波 直
御波 直
…はい。多田さん、本当ありがとうございました。
多田女医
多田女医
気にすんなー!
多田女医
多田女医
まぁ、爆発したらしたで大変そうだけどね。
御波 直
御波 直
でも、絶対何か変わりますよね。
多田女医
多田女医
さぁね!そこは賭けみたいなもんだよ!
多田女医
多田女医
さ、そろそろ寝ときな!
明日あくびして仕事したくないでしょ?
御波 直
御波 直
はい。おやすみなさい。
多田女医
多田女医
はいよ、おやすみー!
またいつでもどうぞ!
俺は、少し微笑んで、ドアを閉めて部屋に戻った。

プリ小説オーディオドラマ