第2話

─1話─
1,422
2019/08/31 08:56
御波 直
御波 直
只今戻りました。
神城 龍蔵
神城 龍蔵
あぁ。今日はもう休め。
御波 直
御波 直
はい、失礼しました。
一人窓際で夜空を横目に、囲碁を打つ彼こそ、


神城財閥の主だ。
あっ自己紹介ね。御波みなみです。
訳あって神城家使用人。
そして、溺愛されてるお嬢の護衛で執事でもある。
はぁぁ。やっと仕事終わったよ。
と、俺は自分の部屋に入り、ジャケットを脱ぐ。
御波 直
御波 直
ふぅ…
一息ついて、喉が渇いたのに気付く。


飲み物でも貰いに行くか。
ここの神城家の家は、日本一と称される、


大きな家だ。


まぁ、移動とか超めんどくさいんだけどね。
俺の部屋は、キッチン、まぁ調理場から近くて、
飲み物貰いに行くには良い部屋だ。
まぁ、最初の頃は和室とか慣れなかったんだけど、
暮らしてく内に慣れたな。
………誰か居るな。
そこの曲がり角か。


何となく気配を感じた。殴るか。
恐る恐る近付いていくと、
??
捕まえたぞ侵入者あぁぁれぇぇぇ!?
デカイ身体の知ってる男が俺を目掛け飛んでくる。


俺はそれをスレスレで避け、そいつは、


顔面から廊下の木の板に突っ込む。
御波 直
御波 直
誰が侵入者だ、はっ倒すぞ。
??
先輩かっ!!すみませんでした!!
御波 直
御波 直
お前の方がね?顔面から木の板突っ込んどいてそれ言えるの尊敬だわ。
御波 直
御波 直
バカ安立あだち
安立 太陽
安立 太陽
えへへ…すんませーん。
御波 直
御波 直
テメー坊っちゃん送ったか?
安立 太陽
安立 太陽
勿論ッス!
御波 直
御波 直
あっそーー。
安立 太陽
安立 太陽
先輩は何処へ?
御波 直
御波 直
飲み物貰いに。
安立 太陽
安立 太陽
そっすか!じゃ!!
御波 直
御波 直
声の大きさな?今、10時ね?
皆寝てっから?分かったか?
安立 太陽
安立 太陽
うぃっすっ
と、もう絵に描いた様な元気さ。
あ、やっと飲み物飲めるわ。
ビール…は明日は休みじゃねーし、止めとこう。


と、俺が調理室に入ると。そこには、
御波 直
御波 直
…貴女は…全く。誰かに声をかけてから動けとあれほど…
??
…ごめん…なさい。
御波 直
御波 直
良いですよ、
次からお気をつけてくださいね。
御波 直
御波 直
お嬢。
神城 未来乃
神城 未来乃
うん。やっぱ、優しいね御波。
そう、天使の様に微笑むのは、


あの主に溺愛されている、神城未来乃みくのだ。
そして、俺の主人。


なんでわざわざこんな少女の御守り…


執事とか柄じゃないけどなー。


ここが飯付きで、家付きで、給料出るし、


仕方なくやったらこの有様。


よく試験受かったなオレ。
御波 直
御波 直
はい、こちらには何の用で?
神城 未来乃
神城 未来乃
喉渇いた…
御波 直
御波 直
そ、う、い、う、の、は!
使用人を呼ばないと駄目です!
神城 未来乃
神城 未来乃
…だって起こしちゃう。
御波 直
御波 直
起こしてください、
それが仕事ですから。
御波 直
御波 直
というか、貴女が単独行動したら、
拐われかねないんですからね?
御波 直
御波 直
そしたら私達のクビが吹っ飛ぶんで。勘弁してくださいね?
神城 未来乃
神城 未来乃
…わかったよ…
物凄く分かっていない顔で言われても、


説得力の欠片がない。
御波 直
御波 直
…はぁ。俺も飲み物取りに来たんで、ついでに送りますから。
神城 未来乃
神城 未来乃
…!……ありがとう。
少し嬉しそうな表情カオをして、俺は彼女を部屋へ送り届けた。

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