第21話

─19話─
424
2020/01/23 10:57
神城 未来乃
神城 未来乃
…?私、なんて言った?
御波 直
御波 直
お?落ち着いてきましたか?
神城 未来乃
神城 未来乃
み、な、み。
御波 直
御波 直
はいはい。それで、お嬢は、
御波 直
御波 直
〝私の執事はあの人が良い〟
御波 直
御波 直
と言ったそうですよ。
御波 直
御波 直
まだ幼いながらに、口数の少ないお嬢が、はっきりと伝えられたから。
御波 直
御波 直
晴子様達は驚いたそうですよ。
神城 未来乃
神城 未来乃
私が…そんなこと…?
御波 直
御波 直
えぇ、それと。
御波 直
御波 直
俺には家族がいません。
愛されたのはたった数年です。
御波 直
御波 直
貴女には、家族が沢山いて、
この家の奴等がいます。
御波 直
御波 直
だから、
俺はお嬢に幸せになってほしい。
御波 直
御波 直
お嬢にも、外の世界を見て欲しい、
そして何より、友達を作って欲しい。
御波 直
御波 直
その為に、
俺も爺さん達に頼み込みます。
御波 直
御波 直
だから、頼みます。
そこから出てきてくれません?
神城 未来乃
神城 未来乃
………一緒に、謝ってくれる…?
御波 直
御波 直
当たり前っすよ。てか、俺多分クビなんで。謝らない選択肢とか無いんで。
神城 未来乃
神城 未来乃
大丈夫…
御波をクビにはさせないから。
御波 直
御波 直
…!
その言葉と共に、お嬢は扉を開け、


出てきたのだった。
御波 直
御波 直
あーあ、ドレスの裾汚れちゃって。
神城 未来乃
神城 未来乃
洗ってもらえるから大丈夫。
神城 未来乃
神城 未来乃
御波…ごめんね。
御波 直
御波 直
…お嬢の失踪は何も今に始まったことでは無いです。
御波 直
御波 直
で、す、が。
御波 直
御波 直
探す側の身にもなってくださいね??
神城 未来乃
神城 未来乃
…うん、肝に命じておくよ…。
御波 直
御波 直
はい、お願いしますよ。
俺らはその後、先程居た場所へと戻る。


お嬢の顔を見て早々、


坊っちゃんは凄い勢いで抱き締めて、その後に、


晴子様はポロポロと涙を流して、


お嬢を抱き締めた。


「気付いてあげられなくてごめんね」


晴子様と作助様はそうお嬢に言った。


俺もちょっと、涙、出そうになったわ。


い、いや、泣かねーし。
神城 龍蔵
神城 龍蔵
二人ともに話がある。
神城 千代
神城 千代
………。
神城 龍蔵
神城 龍蔵
や、やめろ千代、その目をやめろ。
神城 千代
神城 千代
分かっています…よね??
神城 龍蔵
神城 龍蔵
わ、分かっている!!
神城 千代
神城 千代
なら良いんですよ。
神城 未来乃
神城 未来乃
…?
御波 直
御波 直
??
ついにクビ飛んじゃう時が来たかな??
神城 龍蔵
神城 龍蔵
まず、未来乃。
神城 未来乃
神城 未来乃
…はい。
神城 龍蔵
神城 龍蔵
来年から、
お前は高等学校に通ってもらう。
神城 未来乃
神城 未来乃
………ぅそ……!!
神城 千代
神城 千代
ほんとよ、ここまでよく耐えました。
神城 未来乃
神城 未来乃
うぅん、ありがとう…ございます…
神城 作助
神城 作助
違う、これが普通だったんだ。
すまない、未来乃、すまない…
神城 天
神城 天
父さん謝りすぎ、男が泣くとか。
てかまだ話終わってないから。
いや、さっき坊っちゃん、


お嬢の顔見て号泣だったろうが。
……うん、良かった。


でもねお嬢、俺今残念ながら素直に喜べない。


えっ、爺さん顔怖っっっっ。


いつもこんなんだった?


いや、んな訳無いな…。


目、目がもう怖い、


あぁぁぁぁ、無理無理、俺終わったぁぁぁ。
神城 龍蔵
神城 龍蔵
お前には、その送り迎えと、引き続きの警護を頼みたい。
御波 直
御波 直
ほんとすんませんでした!!!!
御波 直
御波 直
って…え??
安立 太陽
安立 太陽
うわぁぁぁ良かった先輩ぃぃぃぃ!
御波 直
御波 直
安立うっるっせぇ!!
鼻水付けんなきったねぇ!!
安立 太陽
安立 太陽
でも俺ずっと心配でぇぇぇー!!
御波 直
御波 直
俺が一番泣きたいよ!!
とりあえず黙れ!離れろ!!
俺のクビ回避が決まった瞬間、


安立は俺に泣きついてきた。


いや、泣きたいのこっちなんですけど。


安心して倒れそう。


とか思ってたら、お嬢が駆け寄ってきて、
神城 未来乃
神城 未来乃
御波…良かった!
これからも、よろしく…ね?
御波 直
御波 直
当たり前っすよ。こちらこそ、
よろしくお願いします。お嬢。

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