俺の朝は早い。
五時半、隣の調理場から調理の音が聞こえ、
目が覚める。
丁度良い目覚まし。
さて、あのバカ安立は起きているのか。
俺は知らねぇぞ。
着替え終わり、外に出る。
調理場の冷蔵庫から飲み物でも貰いに行くか。
開けると、忙しそうな女性何人かが。
その中で指揮するのは、あの人だ。
若干関西弁と京都弁。桜場料理長。
男か、女か。不明だ。そして年齢も。
何故なら、身長も、体も、声も。
全て中性的なのだ。
まぁ、別に誰も気にしていないのだが。
お茶のコップを渡して、リビングへ行くと。
6時。使用人達のご飯の時間だ。
約20分間。小さな声で、よく会話する。
料理長はいつも栄養や色の鮮やかさまで気を配り、
そして美味しい料理を毎日作る。
感謝しかないな。
全員で『いただきます!』
と、全員が箸を取り、食べる。
動くには朝飯からだからな。
今日は、恐らく昨日の内から煮込んでいた肉じゃがに、桜場さん特製味噌汁。
それに美味しいご飯と、サラダ。
朝御飯には豪華だが、もう慣れた。
特製味噌汁には色々入っているらしい。
一日の始めだから、沢山体に良いものが入っていると、桜場さんも言っていた。
神かな?
そーいやぁあの馬鹿が見当たらないんだが、
勿論ここまでも小声である。……多分。
朝飯を食い終わったら、主人を起こさないといけない。
それが6時半。
お嬢の部屋のドアをノックする。
ドア1枚で会話するが、もう何となくどんな顔してるか分かるわ。
そして、隣の部屋にて、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。