居間にて、
桜場さん含め使用人が頭を下げると、
廊下の方から綺麗な着物を着た…
今日は、洋菓子だ。
これでも、さっきお嬢が飛び出して行った時、
すぐに作らせた、いや、早すぎるんだがな。
流石すぎるな。料理長。
今日は、クッキーと、紅茶。
安心、という言葉が最適な程、
この四人は爺さんを嫌っている。
そりゃあそうだろう。
姉、娘が〝檻〟に閉じ込められているのだから。
自分の事だと分かっているお嬢、
しかも自分も爺さんを嫌っているから、この空気、
話題を一刻も早く変えたいんだろう。
俺も差し出されたカップに紅茶を注ぐ。
などと、緩やかな会話だなぁ。
まぁ、嫁姑だけど仲悪くはないんだよな。
むしろなんか楽しそうだけど。
婆さんも晴子様も、優しい方だから、かな。
まだって何。伸びるつもりなの坊っちゃん。
やめて、俺が辛い。
俺179だし、伸びる余地ないからやめて。
安立いいよなぁ。182?だっけ?
チッ、はよ抜かされろ!(矛盾)
俺も思ったー。
作助さん、それ多分明るいじゃなくて、
うるさいですね。ハイ。
だからそれうるささな?
お嬢が言って、俺もやっと気付いた。
何か手に擦り傷。
俺はもう既に使用人に指示を出していた。
彼女は多田さん、この家専属の医者。
知識と腕の確かさは、二人を越えるらしい。
多田さんは、1分程で仕事を終わらせて、
俺も思うわー。
てか、晴子様と多田さん仲良すぎかよ(笑)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!