《あなたside》
ほとんど寝てないのに、驚くほどに目は冴えてる。
なんかやばいんじゃないかとか考える。また考え事が増えるな、、。
全く寝てないわけじゃないから、そう自分に言い聞かせる。
職場の人間に挨拶していく。
転職、といっても事務員なのには変わりない。
そして、どこの会社でも同じような人間関係がある。御局様、セクハラ上司、うるさい女子社員、どんくさい新卒、来たばかりの私に怒鳴りつける上司。
今日も、来たばかりの私に上司は怒鳴りつけるし、御局様は嫌味を言ってくる。新卒の子も可哀想だな、ここが就職先で。
こんなこと初めてじゃないのに、体と心が拒否してるみたい。
そんな一日をこなして、退勤する。
あ、そうだ。
図書館で本を借りてたんだった。
返却日はまだ先だけど、読み終わったし続きが気になるから返して、次のをを借りよう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!