《あなたside》
いつも通り今日も、今日を終えた。
だけど、いつもと違うのは今日は朝までぐっすり眠れて気分がいい。
……そのおかげで、本は最後まで読めてないけど。
今日は残業なしで帰れるから、図書館で本を読んで帰ろう。
それで、そのまま本を返して、次のものを借りよう。
-図書館-
静かな館内に、コツコツとわたしのヒールの音が響く。
あ、、これ……。
好きな作家さんの新作だ……。もう、図書館に置いてるのね。
もう電子書籍で買ったけどね。
さ、一番好きな窓際の席が今日も空いていたらそこにしよう。
この席は、奥にあって景色がいいのに人が少ない。緑が多くて、季節のお花が沢山咲いている。しっかりと管理されている庭。
でも、今日はいつも座っている席に先客だ。
仕方ない……、少し離れた席に座ろ。
ここは、窓から少し離れるけどそれでも明るい太陽の光が差し込んで心地いい。
席に座ってほっと息つく。ふと、窓際に目を向けると、先客のお兄さん。
あれ?あの人、この前のイケメンさん??似てる気がする。
まあ、いいや。わたしよく人の顔見間違えるから。違うよね。
そのあとは、本の世界に引き込まれて1時間ほどで読み切ってしまった。
んーーっと背伸びをして、現実に引き戻される。
また、窓際を見るともうお兄さんはいなかった。
いつの間にか帰ってたんだなあ〜。それすらも気づかなかった。
さ、次の巻!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。