あなたside
逃げなきゃ…逃げなきゃ…
遠くから聞こえる。
私を探している声が。
だんだんと声が近くなる。
もう戻れない。
戻らない。
翔さん…
もう名前呼ばないで…私の名前呼ばないで…
逃げなきゃいけないのに、走らなきゃいけないのに…
翔さんがそんな顔したら…
私…
そんな顔しないで…
ごめんなさい、翔さん。
だけど…
私は途端に海に行きたくなった。
昨日智さんに、何かあったら、とお金をもらっていた。
こんなことに使っていいのかわからないけど
タクシーを使って、遠くの海へ逃げることにした。
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翔side
どこ行ったんだよ…
嘘だろ…そんな…
あなたが…何かの事故に…?
もし事件に巻き込まれてたら…
あいつはどんだけ怖い思いか…………
俺のせいか…?
もしかして意図的にあなたが病院を出たとしたら…
俺のせいか……
ごめんな…あなた……
☎️プルルルルル
必ず、必ず、無事でいてくれ。
あなた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。