第62話

うずらの卵ちゃん…
49
2020/06/28 11:42
サク
どうも皆さん、サクです
如月
昼時にやべぇ勢いで腹下してビビった
如月だ
サク
絵を元にして(勝手に)短い小説を書いてしまいました、第5弾?くらい!
今回は余白ちゃんが僕の事を再び描いてくれて嬉しいという事で書いたものだ!
如月
ちなみに視点はサクじゃなくて、あの絵を見た閲覧者様方。この小説を今読んでくれている貴方の視点だ。サクは勿論出てくるが…まぁ、気になれば読んでみてくれ。それで多分分かる。
サク
呼び出してしまったが、余白ちゃんも見ても見なくても大丈夫だから無理して読む事は絶対しないでね。…じゃあ、何で呼び出したんだって話なんだけど。
如月
んじゃあ、どうぞ
⚠︎注意⚠︎
サクの絵を元にした小説ですので、一応メインがこの小説を書いている主です。ご不快になられる可能性がある方は今すぐにブラウザバック推奨です。

























【深海にユメを溶かす】



いつの間にか、自分の周囲全てが濃紺に包まれていた。ぼやけているように鮮明な色彩は、何もかもを曖昧に薄れさせて。惚けていて浅い思考は、奥ゆかしく呑み込まれそうな深淵に忘れさせられる。

何となく閉じた瞼を再び開いてみれば、深海の底に身を投じてしまったかのような光景が、そっと飛び込んでくる。酸素が足りない訳でも無いから、本当に水中という訳では無いのだろう。だが何故か、自分が今どうやって呼吸をしているのか分からなかった。


未体験の感覚に溺れている現に、これは夢なのだろうかと漠然と思う。疑問という取っ掛りにさえ、するりと抜け落ちてしまいそうなこの空間に対する不快感は、全くと言っていい程に無い。考えれば考える程、思考回路が鈍って霞がかかって。まるで、思考が眠っているようだ…なんて思ってみたり。

小さな気泡を食み、多くの雫を纏っていれば、涙の流し方さえ分からなくなっていく程に、魅入られていく幻想のようだった。儚げなのに緩い流れを孕む水に浸っていれば、軈て全てが自分を透過しているような感覚に陥る。それにさえ、綺麗だと本能的に思ってしまう自分は、幻夢の想に囚われているのだろうか。

例え、そうだとしても構わない。刻が存在しないこの空間が、何よりも心地好くて立っている事ですら自覚が無くなっていく。花鳥風月よりも美しく、春夏秋冬を感じさせない此処に、いっその事同化して解け合ってしまいたい。くぐもっては通り過ぎる水音が耳を流れていく度にそう思う。


辺りには暗い寒色しか無いのにも関わらず、体温を奪われる事もここを怖いと感じる事も無い。奥へ奥へと手招きされるような青、藍、蒼、碧。奇妙で混濁としているそこに、膨らんでいく興味からか惹かれるように手を伸ばす。落ちて堕ちて真っ逆さまに沈んでしまう事も厭わずに、鼓動さえ聞こえなくなっていく事にも気付かずに。


「…まさか、ここまで来てしまう人が居たとは」


ここで初めて聞いた声に、没却しかけた脳裏の全てが徐々に浮上する。ふと前を見てみれば、足場さえ何処なのか分からない場所に、人が立っていた。後ろ姿と声だけでは、性別も年齢も分からない容姿に、只管に疑念だけが募っていく。

その人物が付けているパーカーのフードの耳に、深海魚のように淡く静かな縹色の蛍光色が灯り、何処からか生やしている猫のような尻尾のような形をしているそれが、ゆっくりと気侭に揺蕩う。


「ダメだよ、そこから先へ行っては。君は“まだ”夢の中だ」


理解なんて出来ない…否、しようとさせない言い回しと、思わず無言で頷きたくなってしまうような言葉。普通、声は抑揚や発し方によって何処と無くどんな感情が篭っているか、分かるものなのだがそれらが一切汲み取れない。でも、無機質に言っているようにはとても聞こえない、不可解で仕方が無い口調。


「ほら、考えれるようになってきただろう?なら君“は”大丈夫だ」


…何故、自分限定のような言い方をしたのか。なら貴方はどうなんだ。貴方は一体、何をどこまで知っているのか。そんな疑問点が尽きぬように浮かんできて、それを直接聞こうと思って初めて気が付いた。

声が、出せない。

声帯が無くなった訳でも、体がここに存在しない訳でも無い。それなのに、喉元に全ての言葉が詰まってしまって何一つ吐き出せやしなかった。そんな焦った様子に気配か何かで気が付いたのか、その目の前の人物は少しだけ振り返って、最後にこの一言だけを残した。


「全て忘れて眠りなよ、おやすみなさい」


少しだけ見えた口元は何故か、浅く弧を描いていて覗いた銀髪が優しく揺れた。鼓膜というよりも、その奥に染み込むように響いたその一声だけで、異様な睡魔が滝のように襲ってくる。急激な眠気によって足元が覚束無くなっていき、これ以上無い程に瞼が重くなり、軈てそれらに耐えられなくなっていく。

そして、完全に意識が落ちる前に瞳が捉えたのは、何処か名残惜しそうなあの人のほんの少しだけ哀愁漂う、背中だけだった。




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造語

幻夢の想
この夢現な空間そのものの思惑の事を指す。そもそもあるかどうかさえ分からないが。
幻夢;ゆめまぼろし、儚いこと
想;考え、構想
サク
謎のワードを作り出してしまったから、解説入れた…何となく綺麗だなっていう、フィーリングで書いてしまった
如月
短いからって手抜き感出し過ぎ、描写の順序がなってない、つーか全体的に濁し過ぎて分かりにくい、人様に見せていい出来じゃねぇ
サク
あーーー聞こえないですねーー()

ちなみに、容姿を詳細に描写していないのはわざとだ。余白ちゃんの方の絵を是非見て欲しいから、明記しない方がいいかと個人的に思った結果こうなった。
サク
それと、あの絵を見て僕は個人的に、凄くはっきりとしてるのに曖昧だなと感じたんだ。
絵は驚く程に上手くて感動する程だったんだけど、見て取れる情報量が少なくて深海のような青の中に、ただ佇んでる僕の姿があまりにも掴めなくて…でもその部分ひっくるめて凄く好きだから、僕なりにそのまんま落とし込んだ…つもり!
如月
絵を描いてくれた余白さんにかなり失礼な文章になってしまって非常に申し訳無い…後でキツーくしめとくから安心してくれ
サク
えっ、ちょっ…え??
……現実を受け入れたくないから逃げる!という事で、今回はこの辺d(((
如月
じゃあな〜
サク
口の中が血の味する…

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