私を睨みつけていた目が
一瞬にして大きく見開かれ
間違いない。
顔にある大きな傷
キリッとした目……
私の言葉に
動揺した様子を見せた
そしてすぐ私を見据え
そう言った。
ずっと会いたいと思っていた。
ずっと話したいと思っていた。
……好きだと伝えたかった。
私と同じくらいの身長だったのに
今じゃ私を大きく追い抜いていた。
やっと会えた大好きな人を目の当たりにし
ボロボロと涙がこぼれる。
ハッキリと姿を目に映したいのに
どうしても涙が邪魔をする。
何度拭っても拭っても
溢れ出して止まらない。
そう言うと
自嘲するように
私は迷いなく即答すると
一瞬驚いたような顔をしたが
すぐ元に戻り
そういい少しづつ私に歩みよってくる
そして
落ちた私の刀を拾い
そう言って私に刀を渡した。
私が……
玄弥を……?
すると大きなため息が聞こえ
私の目の前に来て動こうとしない玄弥。
身長が高いせいか
見上げないと顔が見えない、
なんでこんな形で再会してしまったのだろう
神様は本当に残酷だ。
私は下を向いたまま
泣くことしか出来ない。
大好きな人から
殺してくれ。と言われ
すんなり受け止めることなどできない。
だけど
鬼を滅殺するのが私達鬼殺隊の任務……
顔を上げ
玄弥の顔を見てそう言うと
すぐ目をそらされ
少しだけな。といい
座り込んだ
そして私も玄弥の横へ座ろうとすると
ガっと捕まれ
気づけば玄弥があぐらをかいている
上へと座っていて
少し今の体制に緊張してしまい
玄弥に問いかけると
ぶっきらぼうな言い方だけど
優しいところは昔から変わってない
玄弥に包み込まれるように座っている私は
すごく幸せを感じた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!