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第2話

頑張れ、ゆっくん
ゆっくん
ゆっくん
『毎日毎日!いい加減にして下さいって話ですよ!!一々うっせぇんだよ、放っとけや!!』
ダン!と机を叩いて叫ぶとグラスがグラグラと揺れ、少しだけ中身が零れた。
ヤサミネくん
ヤサミネくん
『また荒れてるね。
…今日は何があったのさ?』
ゆっくん
ゆっくん
『ヤサミネくん!!
私はただ言われたことをやっただけなんです!それが悪いことですか⁈』
ヤサミネくん
ヤサミネくん
『悪くないけど?
さてはまた理不尽な理由かな?』
ゆっくん
ゆっくん
『そう!!そう、そうなんです!!』
わぁぁぁと泣きながら缶ビールを呷る。
いわゆるヤケ酒というものだ。
二人の男女は泣く男を慰める。
これがいつも通りなのだ。
マイナちゃん
マイナちゃん
『ゆっくんは頑張ってる。
私ならきっと逃げちゃうもの…』
ヤサミネくん
ヤサミネくん
『そうそう。
飲んで忘れなよ、愚痴は聞くからさ。』
ゆっくん
ゆっくん
『ありがとうございます!
ヤサミネくん、マイナちゃん!』




…これは
あなた

ふぅ…スッキリした。

あなたが作った漫画の世界。
ゆっくんやヤサミネくん、マイナちゃんは心の中を代弁するキャラクターでしかない。
彼らに意思なんてないのだ。
だから扱いやすい。
だから愚痴を代わりにぶちまけているのだ。
あなた

教頭め…腹立つ…!

ノートを閉じるとそのままベッドにダイブする形で眠りについた。…あぁ、神さま。私にどうか。
あなた

ゆっくん達みたいな味方を下さい…

すやすやと眠りにつくとノートが光った。
しかも中から小さな話し声がするではないか。
その声の主は…彼ら。
ヤサミネくん
ヤサミネくん
また今日も愚痴漫画かよ…
…ってか、重い、体重かけんな。
ゆっくん
ゆっくん
うっ、ううぅっ…!!(泣)
マイナちゃん
マイナちゃん
ひぇーん、明日も愚痴漫画だったらどうしよぉー…!!(泣)
ヤサミネくん
ヤサミネくん
つーか、俺ら毎日同じこと言ってね?
ゆっくん
ゆっくん
確かに…ヤサミネくんは似合わないのに爽やか系男子ですもんね…
マイナちゃん
マイナちゃん
うん…毒舌キャラなのにね…
ヤサミネくん
ヤサミネくん
ハァ…やかましい。
…俺たちって無意識のうちに愚痴ばっかり言ってるよな…不思議だわ。しかもここ、テレビ砂嵐だし。不思議すぎるだろ。
こんこん、とテレビを叩きリモコンをつけても中身は砂嵐で不快な音が鳴るだけ。
ヤサミネはふう…とため息を吐いて扉に手をかけた。
ヤサミネくん
ヤサミネくん
俺たち、ここ以外行ったことないよな
ゆっくん
ゆっくん
確かに、言われてみれば!
マイナちゃん
マイナちゃん
開けてみて、何がある?
しかし、幾らドアノブを回そうが引こうがドアはビクともせず開かない。
ガチャガチャという音がするだけ。
窓を開けようとしても窓は開かず、外の景色は夜のまま変わらない。
ヤサミネくん
ヤサミネくん
…。
ゆっくん
ゆっくん
あ、あの!僕、歌いましょうか⁈
マイナちゃん
マイナちゃん
き、聞きたい聞きたい!
歪な形をしたギターをゆっくんから渡されると音を奏でる為にヤサミネが椅子に座る。
ゆっくんも歌おうと口を開けたのだが。
ヤサミネくん
ヤサミネくん
ん?
ゆっくん
ゆっくん
あれ?
あることに気づいた。
歌が歌えない。音すらも鳴らないのだ。
普段無意識な時は歌えるし、ギターも鳴るのに何故か今だけは歌えないしギターもステキな音を奏でることはない。
ゆっくん
ゆっくん
…何で歌えないんだ…?

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