前の話
一覧へ
次の話

第5話

エモい時間
1,069
2021/01/24 04:43
楽しいかも…


じゃなくて!まもるが残るんだったら私は写真撮れない…
今日は諦めて帰るか…
まい
まい
じゃ、私は帰るね
そう言って帰ろうとした時
まもる
まもる
ちょっと待って…
まい
まい
…え?
怖い怖い、今度は何?
まもる
まもる
いっつも思ってたんだけど、お前なんでそんな荷物多いの?
カメラの色々入れてるから!なんてもちろん言えず…
まい
まい
え、それ今聞く?
と笑いながら誤魔化して帰ろうとすると
まもる
まもる
もしかして…
バレる!と脳内が感じとりダッシュする
まもる
まもる
やっぱり!
つんだ…
まもる
まもる
お前もカメラ持ってきてんじゃん!
彼は嬉しそうに私のカメラを見る
まい
まい
もう…帰るから返して…
まもる
まもる
え、なんで言わなかったの?
こればっかりは良い言い訳が思いつかなかった
どうせ強がっても見破られるだろうなあと思い
隠してた理由を全て話した
まい
まい
しょうもないでしょ?
まもる
まもる
え、俺そんなひどい奴だと思われてたの
そう言いながら爆笑してる
何がそんなに面白いのかちょっとよく分からない
まもる
まもる
もうバレたんだったら撮って帰ったらいいじゃん
それもそうだな…
まい
まい
まぁ確かに…そうしよ
結局2人で撮ることにした
まもる
まもる
なぁなぁ、この雰囲気?シチュエーション、なんかエモくね?
少しふざけた感じで彼が言う
まい
まい
それエモい使いたいだけでしょ
まもる
まもる
バレたか…
ほんとにしょうもない会話なのに自然と笑みが溢れてしまう
それはあいつも一緒だった
誰もいない塾に男子と2人きり


しかも空を撮るために
意識しないわけがない


でもまだ中2だ


特に私はそういうのに鈍感だから


今日はいつもと違う雰囲気の撮影を楽しもう
彼は自分の席から撮っている
まい
まい
いやそこ私と被ってるから絶対撮りにくいでしょ、こっちおいでよ
少し笑みが溢れる
何に対してかは自分でもよくわからないけれど
まもる
まもる
え?あ、いいの?行く〜
そう言って彼は私の席の後ろに来た
最初は2人とも必死で撮ってたけど
沈黙が少し気まずくなってきたのか
いきなり
まもる
まもる
学校、どう?
と聞いてきた
まい
まい
いきなりだな…
そう言って笑うと
まもる
まもる
ごめんごめん
彼も笑った
まい
まい
学校か…割と楽しくやってるよ。一緒にいてくれる子もいるし、自分のクラス面白い人多いから楽しい…かな?
まい
まい
そっちはどうなの?
まもる
まもる
うーん…まぁまぁかな。
まもる
まもる
塾の時の方が楽しいかも
まい
まい
え、塾寝てるだけじゃん
確かに、と彼ははにかむ
こいつとこんなに喋るなんて思ってなかった
でもすごい楽しいし、自然と会話が弾む
まい
まい
ずっと寝てる塾の方が楽しいってどんな学校生活送ってるの
と笑いながら聞いてみると
まもる
まもる
学校で固定の友達いないんだよね。なんか避けられてて、オーラ?知らんけど。だから基本1人。
なんかちょっと意外だった
まもる
まもる
勝手に一匹狼とか呼んでやがるんだよな。
まもる
まもる
塾だと基本みんな1人じゃん?だから気が楽なんだよな




彼の新しい顔を見た気がした


彼の事をもっと知りたいと思った

プリ小説オーディオドラマ