楽しいかも…
じゃなくて!まもるが残るんだったら私は写真撮れない…
今日は諦めて帰るか…
そう言って帰ろうとした時
怖い怖い、今度は何?
カメラの色々入れてるから!なんてもちろん言えず…
と笑いながら誤魔化して帰ろうとすると
バレる!と脳内が感じとりダッシュする
つんだ…
彼は嬉しそうに私のカメラを見る
こればっかりは良い言い訳が思いつかなかった
どうせ強がっても見破られるだろうなあと思い
隠してた理由を全て話した
そう言いながら爆笑してる
何がそんなに面白いのかちょっとよく分からない
それもそうだな…
結局2人で撮ることにした
少しふざけた感じで彼が言う
ほんとにしょうもない会話なのに自然と笑みが溢れてしまう
それはあいつも一緒だった
誰もいない塾に男子と2人きり
しかも空を撮るために
意識しないわけがない
でもまだ中2だ
特に私はそういうのに鈍感だから
今日はいつもと違う雰囲気の撮影を楽しもう
彼は自分の席から撮っている
少し笑みが溢れる
何に対してかは自分でもよくわからないけれど
そう言って彼は私の席の後ろに来た
最初は2人とも必死で撮ってたけど
沈黙が少し気まずくなってきたのか
いきなり
と聞いてきた
そう言って笑うと
彼も笑った
確かに、と彼ははにかむ
こいつとこんなに喋るなんて思ってなかった
でもすごい楽しいし、自然と会話が弾む
と笑いながら聞いてみると
なんかちょっと意外だった
彼の新しい顔を見た気がした
彼の事をもっと知りたいと思った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。