第4話

ありがとう
906
2021/01/24 04:19
塾の先生
塾の先生
おーい、まいちゃん?
まい
まい
あ、ごめんなさい!
塾の先生
塾の先生
えと、この問題の答えわかる?
まい
まい
あ、はい!
先生は塾生の中でも頭一つ飛び抜けてる私とあいつを当てようとする
でもあいつはよく寝てるから当たらない
しかも回想してて話全く聞いてなかった…
でも強がりな私は
まい
まい
できます
そう言ってしまった
人の事素直じゃないとか言えないよね…
しかも苦手なやつだし…分かんない…
やばいやばいと思いながら席を立つと
まもる
まもる
点pを(x、y)と置いて代入して2次方程式つくる。もう一個つくったら連立。
机につっぷしたままま私だけに聞こえる声で隣の奴が教えてくれた
なんで教えてくれたのかも分からず
起きてたんだ!とも驚き
少し焦りながら答えを書きにいく
言ってくれた通りのやり方で解いているとそれっぽい答えになった
塾の先生
塾の先生
正解!さすがだなぁ〜!
周りからも


おお!!


と小さな歓声があがる
理由とか置いといて今はとりあえずお礼を言わないと





ありがとう





…言えない。
なんでか分からない


ただまもるに素直になりたくないだけかもしれない


ていうか多分、きっと、



絶対にそうだ


さっきのカメラのことだって


彼にとっては好きな事を好きと言うのが普通の事なのかもしれないが


素直に言わなくちゃ…


でもどうしても言えそうになかったので


自分って情けないなぁ…と思いながら
付箋に




ありがとう




と書いて彼の机にこっそり貼った
付箋に気づいたのかあいつは頭を少しあげて
付箋を手に取った
まもる
まもる
まもる
まもる
ん?
それからずっと私はあいつの方を向けなかった
塾の先生
塾の先生
はい、じゃあここまで!来週までにちゃんと宿題やってくるんだぞー!
授業が終わった
こんなに授業中上の空だったのは初めてだ



先生と塾生は出口に向かった

今日もみんなが帰るのを待って空を撮ろう
それで心を落ち着かせよう
そう思っていたら…
まもる
まもる
なぁ、あれお前だよな?
今話すの1番気まずいやつ!!
まい
まい
え、あれ…あ、付箋?
まもる
まもる
…おう
まい
まい
そう…私だけど
まもる
まもる
なんでわざわざ付箋にしたんだよ
と言いつつ少し嬉しそうに付箋を眺めている
直接言うのが恥ずかしかったから
なんて言うのはもっと恥ずかしいので
まい
まい
寝てるの邪魔しちゃいけないな…と思って
と強がりの嘘を吐く
まもる
まもる
いや起きてたの分かってたろ
鋭い…
まもる
まもる
え!待って!もしかしてさ…
まい
まい
な…なに?
勘が鋭い所も怖い
まもる
まもる
面と向かって言うの恥ずかしかったとか?
まい
まい
いやいや、それはないさすがに
ありまくりだけど…
まもる
まもる
ふーん…?そっか
彼は怪しい笑みを浮かべ首を傾げる
私が嘘をついているのはもうバレバレなのだろう
まい
まい
え、帰んないの?
とりあえず話を逸らす
まもる
まもる
うん、もうちょっと待ったら空もっと綺麗になりそうだからいい写真撮れるかなって思って
まい
まい
そういえば言ってたね、そんな事
まもる
まもる
興味なさそうに言うなよ
まい
まい
そういう訳じゃ…
と言いながら笑う




あれ…こんなに楽しかったっけ?

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