「……炭治郎顔真っ赤じゃね」
「ほっとけよ、玄弥。何があったのか知らねぇけど」
「紋治郎りんごみてぇだぞ」
「……………今の子、誰か知ってるか?」
俺は顔を赤く染めていた事を何もなかった
ようにして、善逸たちに問う。
「今の女の子?えっとね、確か榎本あなたちゃんだよ」
「榎本……あなた…ちゃん?」
「そう。学年成績トップ、中学生では部活動で全国
大会優勝、小学生では絵画コンクールで金賞、またはピアノコンクールで最優秀賞を獲得した天才少女って噂のね!!」
「へぇ……………」
「何、炭治郎もしかして恋に落ちた?」
「や、わからない……でも、何か雷が落ちた感覚で、心臓がうるさいんだよな」
そう言えば、善逸と玄弥に怒鳴られた。
『お前、ほんっとうに鈍感!!!!』
「もうそれ恋!!まじ鈍感すぎんだよ馬鹿!」
「鈍感の限度超えてんだよお前の場合!!」
「え、鈍感?俺、鈍感……?」
俺が戸惑いながら聞くと、
善逸や伊之助、玄弥が声を揃えて言った。
『うん、鈍感。』
「えっ、そ、そんなはっきり言わなくても良くないか…みんな…‼︎」
みんなに言われて流石の俺はショックを受けた。
「嘘はつけねぇしな」
伊之助の最後の一言は心にぐさっと刺さり、
俺は心折れる寸前までいった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。