ー 黒崎 side ー
スポーツドリンクとかゼリーとか ,
食べやすい物を買って…到着したあなたの家。
熱を出したあなたは , 家に一人で置いておくと
危なっかしいから。
そんな理由をつけて , 今日は泊まる気で
クロも連れてきた。
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目の前で無防備に眠るあなたは , どこか苦しそうで。
俺はあなたを起こさない様に ,
あなたの頬を撫でる。
その頬は熱く熱をもっていて。
熱さまシートを , 手際よくあなたの額に貼る。
俺のせいで傷つけてるのは知ってる。
時々濃いメイクをして…腫れてる目を隠してるのも。
人前では…特に俺の前では , 無理して笑ってるから。
冷たい態度をとれば , きっとあなたも呆れて
こんな危ない世界に踏み込むこと無く…
俺から離れてくれると思ってた。
だから , こんな俺に歩み寄ってくれるあなたを
突き放して…沢山傷つけた。
結局 , 俺の方が…あなたから離れられなくて。
こうして巻き込んで…苦しい思いをさせて。
ずっとずっと , …俺は中途半端だった。
数日前に帰り道で , あなたが本音を
言ってくれたように。
…俺も本音を言いたい。
けどそれは , 俺の復讐に巻き込む事になる。
いつもより熱いあなたの手を
しっかり握って , ほんの少しの弱音を吐いた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。