志麻side
朝の光に目がさめる。
隣で、スヤスヤと眠っている
センラ。日の光に浴びてキラキラと光る彼の茶髪。
少し黄色が入っていて、とても綺麗だ。
少し撫でてやると、微笑んでくれるセンラを朝見るのが俺の日課となっていた。
だが、今日は違った。少し顔を歪め手を払いのけようとしてる。
今思えばこの時からセンラは、おかしくなっていたのかもしれない。
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明らかにおかしい。もう15時だ。
もうそろそろセンラの好きなテレビがあると言うのに。
少々心が痛むが仕方ないだろう。
だって、起こさなかったら「なんで起こしてくれへんかったん!?まーしぃ!もう口聞かん!」
とか言われそうだ。
苦笑いしながら階段を上っていく
そこには最悪な光景が広がっていた。
俺とセンラの写真が、ビリビリに引き裂かれ、
俺が写っているものは、もう全て地面へ投げつけていた。
手にはたくさんの血。
なんで。なんでや。当の本人は、眠っているし。
ま、待てよ。いつからだ?いつからセンラは、血を流してた?
さぁっと俺の顔から血の気が引く。
救急箱から包帯を出しにぎりしめる
俺の手は、ガタガタと震えだす。
不器用なりに包帯をくるくる巻く。
お姫様抱っこをしベットへ。
こんな時は、あいつに電話するしかない。
携帯を取り出し、涙と鼻水を吹く。
そして、電話した相手は。
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カチッカチッと音を立てる時計。
不安になりそわそわ、部屋の周りを行ったり来たり、
センラが起きてこないか、チラッとドアを見る。
それでも人が来る気配は、なく。
少し泣きべそをかいてしまう。
ピーンポーンと鳴り響くインターフォン。
こんな時に。最悪や。
ガチャッ
バタバタと入って来る二つの足音。
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俺は、洗いざらい話した。その間もうらたさんは、
静かに頷きながらも聞いてくれた。
そこでうらたさんの話は、途切れた。
なぜなら、センラの大きい声でかき消されたから。
俺が、びっくりしたのは、次のセンラの一言だった。
俺からはいっぱいいっぱい涙が出た。
うらたさんが隣で焦って何か言ってたけど、そんなのどうでもいい。
さっきのは、何?みんなで俺をからかってる?
やめてや、趣味…悪いで………
いつの日か携帯で見た。
忘愛症候群とやらなのか。
ほんま、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。