浦田side
何があったのかわからないけど、
突然坂田と、まーしぃん家へ行った。
いきなりのことで困惑してたけど、坂田が焦ってた。
それで、まーしぃん家に着くと涙をいっぱいためて、
鼻をすすりながら、俺たちを迎えた。
色々話しているうちに、
センちゃんの声が聞こえて、それから。
坂田の焦ってる声が聞こえて、それで、それで。
まーしぃは、笑ったかと思うと泣き叫びながらこんなことを言った。
俺の声なんか聞こえてないみたい。
上からは、センラの怒鳴り声と坂田のなだめる声。
隣からは、まーしぃの泣き叫ぶ声。
泣いて叫んで。子供みたい。いきなり落ち着くし。
なんなんだよ。
さっき言ったのは、嘘じゃない。
俺だってさかちゃんが、って思ったらびっくりする。
あとで聞かなきゃ。
坂田side
まーしぃから電話がきてかれこれ20分が経った。
なぜそんな時間が経ったと言うと、時は、遡って
志麻くんの、家へ着き僕が、センラの様子を見に行くところだった。
いきなり暴れ出すセンラ。俺のことは覚えてるのに、
まるで志麻くんの記憶が抜けているような感覚。
志麻くんからちょっと聞いてたけど、センラは、忘愛症候群なのかもしれない。
ガタッと音を立てて立ち上がるうらさん。
そりゃそうなる。うらさんは、とってもメンバー想いのいい人だから。
目をウルウルさせながら、こちらを見るうらさん。
そんなのしたって。
ガタッ
そこには、涙を流していた志麻くんだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!